セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル

診断が困難であった縦隔腫瘍の1例

演者 宮坂 將光(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科)
共同演者 松本 隆之(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科), 柳川 雅人(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科), 野村 正晃(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科), 芝野 佳代(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科), 入江 貴雄(大阪府済生会泉尾病院 消化器内科), 齊藤 卓也(大阪府済生会泉尾病院 外科), 植村 芳子(関西医科大学附属枚方病院 病理科), 森 茂生(関西医科大学附属枚方病院 消化器肝臓内科), 岡崎 和一(関西医科大学附属枚方病院 消化器肝臓内科)
抄録 症例は50代男性。既往歴として十二指腸潰瘍に対し幽門側胃切除術、B-2再建術を施行されていた。平成22年12月頃から39度台の発熱と体重減少を認め、当院を受診された。また嚥下時のつかえ感も自覚されていた。血液検査上はWBC、炎症反応の上昇を認めていた。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、吻合部口側に退色調の軽度陥凹病変を認め、生検結果はpoorly differentiated adenocarcinoma, Group 5であり、吻合部胃癌と診断された。また、胸腹部CTにて左縦隔に65mm大の腫瘤を認めた。縦隔腫瘤の精査のためPET-CT、造影CTを施行したところ、リンパ節転移、悪性リンパ腫、GISTなどが疑われた。嚥下時のつかえ感は増強してきたため、再度上部消化管内視鏡検査を施行したところ、食道下部に後方からの圧排を認めた。腹腔内に明らかなリンパ節腫脹を認めず、胃癌のリンパ節転移以外の可能性も考えられ、病理学的診断のためシンチグラムにて褐色細胞腫の可能性が低いと判断の上EUS-FNAを施行した。細胞診の結果は扁平上皮癌であり、食道癌T0N4M0である可能性が示唆された。現在は化学療法が行われている。今回、我々は診断が困難であった縦隔腫瘍の1例を経験したので報告する。
索引用語 扁平上皮癌, 縦隔腫瘍