抄録 |
我々は1999年よりNBIを開発し、大腸内視鏡検査において毛細血管構築を中心とした。従来の内視鏡では観察できなかった微小血管診断学を報告してきた(Endoscopy 2004)。腫瘍性病変の表面では血管の拡張や新生血管の増生が起り、これらの微小血管のパターンをNBIで観察すると、通常より拡張した茶色の網目状血管が観察される。我々はこれを”Meshed Capillary (MC) vessel”と命名(Digest Endosc 2005)し、3型(Capillary pattern: CP type I, II, IIIA, IIIB)に分類した(Digest Endosc2006)。我々の行ったprospective studyでは、CP Type Iを非腫瘍、Type IIを腫瘍(腺腫)、Type IIIAをpM,pSM1、Type IIIBをpSM massive癌とした場合の正診率、感度、特異度は I vs. II (95.3、96.4、92.3), II vs. III(95.5, 90.3, 97.1), IIIA vs.IIIB (87.7, 84.8, 88.7)であった(GIE 2009, APT 2008, BMC Gastro2010)。また、腫瘍/非腫瘍の鑑別に対するlearning curveは初学者において簡便で有用でることを報告した(GIE2010)。今回、当院においてNBI拡大観察で診断された大腸腫瘍に対し、CP type IIIA、IIIB及びSurface Pattern(SP)の深達度診断精度について報告する。 |