セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | 慢性咳嗽を契機に発見された進行胃癌の一例 |
演者 | 鈴木 啓史(市立伊丹病院) |
共同演者 | 満田 千晶(市立伊丹病院), 三浦 由雄(市立伊丹病院), 山口 典高(市立伊丹病院), 荻山 秀治(市立伊丹病院), 堀木 優志(市立伊丹病院), 佐野村 珠奈(市立伊丹病院), 佐治 雪子(市立伊丹病院), 村山 洋子(市立伊丹病院) |
抄録 | 【症例】45歳女性。【主訴】慢性咳嗽。【既往歴】特記事項なく、3年前に禁煙。【現病歴】2011年1月より咳が持続したため複数の医療機関を受診。マイコプラズマ肺炎や気管支喘息との診断で加療されていたが、改善を認めなかったため、同年4月当院呼吸器内科受診。胸部CTにて中等量の両側胸水を認め、精査加療目的に入院となった。【入院時経過】入院前3か月で4kgの体重減少を認めていた。身体所見では37.1度の発熱と右肺野の濁音界上昇を認めた。血液検査ではALB 3.3g/dL と軽度の低アルブミン血症を認めるのみであった。胸部CTでは右優位に両側胸水が貯留するも肺野には異常陰影はなく、優位なリンパ節腫大も認めず、結核や原発性肺癌は否定的であった。胸水の原因精査のため、胸水穿刺を行ったところ、滲出性胸水であったが、胸水細胞診は陰性であった。また、血清CA19-9 72.9U/mLと腫瘍マーカーの上昇を認めたため、腹部CTと上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃体下部から前庭部後壁にかけて1/3周を占める2型進行胃癌を認めた。生検にてGroup5 Signet-ring cell carcinomaと診断した。PET-CTでは原発巣の他に、胸膜、腹膜、骨に多発して集積を認め、胃癌からの胸膜播種、腹膜播種、多発骨転移を認めたため、当科転科の上、加療となった。【考察】本症例のように慢性咳嗽が持続し、胸水を伴う際には胃癌からの癌性胸膜炎も念頭に検査を進める必要があると考えられ、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 癌性胸膜炎, 胃癌 |