セッション情報 |
ワークショップ2「膵腫瘍性病変の診断と治療」
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タイトル |
当院における非切除StageIVb進行膵癌に対する化学療法の検討
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演者 |
岡田 雄介(京都第二赤十字病院) |
共同演者 |
森川 宗一郎(京都第二赤十字病院), 宇野 耕治(京都第二赤十字病院), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院) |
抄録 |
【目的】当院における非切除StageIVb進行膵癌に対する化学療法の治療成績について検討する。【対象と方法】2005年3月より2011年5月までに化学療法を開始し、1クール以上治療を継続し得た非切除StageIVb膵管癌45例を対象とした。性別は男性24例、女性21例、平均年齢66歳(44-83)であった。病変の占拠部位は頭部が22例、体部が13例、尾部が9例、びまん性が1例であった。化学療法の内容として、GEM単独療法は1000mg/m2を週1回3週連続投与、1週休薬を1クールとし、S-1単独療法は、体表面積に応じて1日80-120mg/ m2を4週連続投与、2週休薬を1クールとした。GEM、S-1併用療法は、S-1 80-120mg/ m2 2週間投与後1週間休薬及びGEM 1000mg/m2Day1、8投与を1クールとした。検討方法としては生存期間をKaplan-Meier法を用いて算出し、投与方法別の生存期間をlog-rank testを用いて比較検討した。また化学療法の副作用についても検討した。【結果】Kaplan-Meier法によるmedian survival timeは251日、mean survival timeは294日で、最長の生存期間は675日であった。first lineの投与方法別のmedilan survival timeは、GEM単独群が251日、S-1単独群では235日、GEM、S-1併用群で121日であり、生存期間に有意差は認めなかった。また、first lineとしてGEM単独療法を施行した34例のうち、GEM単独療法を継続した群、S-1単独療法に移行した群、GEM、S-1併用療法に移行した群のmedian survival timeの比較ではそれぞれ231日、412日、183日との結果で、S-1移行群において有意に生存期間が長い結果となった。なお今回の対象症例においてはgrade4以上の副作用は認めなかった。【まとめ】First lineの投与方法間では生存期間に有意差を認めなかったが、GEM単独療法からS-1単独療法に移行した症例では有意に生存期間が長い結果となった。second lineへの移行時期については今後の課題と考えられた。 |
索引用語 |
膵癌, GEM |