セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル

腹腔鏡下に切除した肝副葉の一例

演者 岡 亜希子(三田市民病院 外科)
共同演者 松本  拓(三田市民病院 外科), 尾崎 貴洋(三田市民病院 外科), 松本 晶子(三田市民病院 外科), 西村 透(三田市民病院 外科), 藤田 恒憲(三田市民病院 外科), 藤原 英利(三田市民病院 外科), 和田 隆宏(三田市民病院 外科)
抄録 症例は38歳の男性。2年前より肝機能障害を指摘され、当院内科でフォローされていた。H22年12月に腹部CTを行ったところ、左上腹部に腫瘤を認めたため加療目的に当院外科紹介となった。腹部は平坦かつ軟で腫瘍は触知しなかった。血液所見では、LAP 144、 ALP 2116と高値であった。腫瘍マーカーの上昇は認めなかった。腹部造影CTでは肝左葉外側区域より突出し、静脈相まで造影効果を受ける80mm大の類円形腫瘤を認めた。以上から血管腫を疑い、破裂の危険性もあるため腹腔鏡手術を施行した。腹腔鏡所見では、肝S2と腫瘍は薄い肝実質および線維性の被膜で連続しており、内部に走行する血管を認めた。同部をlinear staplerで切離して標本を摘出した。術後の病理所見ではグリソン鞘、肝静脈の軽度の拡大を認めるものの肝小葉構造は正常に認め、肝副葉と診断された。術後経過は良好で、血液所見も術後正常化した。まれな肝副葉を腹腔鏡下に切除した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝副葉, 腹腔鏡手術