セッション情報 シンポジウム2「下部消化管疾患における画像強調内視鏡の活用」

タイトル

大腸腫瘍に対するNBI、FICEを用いた拡大診断における、surface pattern観察の重要性

演者 稲田 裕(京都府立医科大学附属病院 消化器内科)
共同演者 吉田 直久(京都府立医科大学附属病院 消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学附属病院 消化器内科)
抄録 [背景および目的] 現在、NBI・FICE拡大観察において統一された分類はないが、surface patternを加味したNBI分類が広島大学より提唱されている.本研究では簡易化のためこの分類に改変を加え、その妥当性およびFICE拡大観察における同分類の使用について検討した.[方法]当科で拡大観察を施行し,病理学的検討が可能であったNBI127症例、FICE150症例を対象とした.NBI分類は広島大学分類を改変しType A,B,C1/C2,およびC3の4つに分類して解析を行った.特にType C1/C2病変については、絨毛状のsurface patternを呈し血管の不整度の強いpapillary type と、管状のsurface patternを呈し血管がネットワークを形成するtubular typeに分けて検討した.[結果]NBI観察においてType Bは腺腫(67%),Type C3はSM1000μm以深癌(90%)であった.Type C1/C2(56例)は腺腫: M-SM1000μm未満癌: SM1000μm以深癌として 25: 27: 4であった.そのうちpapillary type(27例)は、16:10:1であり腺腫の割合が高く、tubular type (29例)は、9:17:3でM癌-SM癌の割合が高かった.一方FICE観察においてもType C1/C2(57例)のうち,papillary type(39例)は20: 18: 1でありtubular type( 18例)は6: 8: 4であり同様の傾向がみられた.[結論] 簡易化したNBI分類は病理診断を推測でき,またFICEでも同様の分類が可能であった.Surface patternを加味することで客観的鑑別ができ病理診断との関連性も認められた.
索引用語 大腸腫瘍, FICE