セッション情報 | ワークショップ2「膵腫瘍性病変の診断と治療」 |
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タイトル | 当院における膵腫瘍の診断に対するPerfusion CTの現状 |
演者 | 西川 義浩(田附興風会 北野病院 消化器センター内科) |
共同演者 | 木村 典世(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 廣橋 研志郎(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 牟田 優(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 佐久間 洋二朗(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 渡辺 昌樹(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 熊谷 奈苗(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 小田 弥生(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 工藤 寧(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 加藤 洋子(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 藤田 光一(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 山内 淳嗣(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 吉野 琢哉(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 高 忠之(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 大橋 真也(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 淺田 全範(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 福永 豊和(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 川口 清隆(田附興風会 北野病院 消化器センター内科), 八隅 秀二郎(田附興風会 北野病院 消化器センター内科) |
抄録 | 【背景】近年、膵疾患の診断に対して、Perfusion CTが使用され、有用性の報告がなされている。膵腫瘍に対しては幾つかの報告がなされているが、現時点では有用性の評価は定まっていない。 【目的】当院における膵腫瘍に対するPerfusion CTの現状を解析し、有用性を検討する。【対象・方法】対象は2009年12月から2011年4月まで当院でPerfusion CTによる解析を行った膵腫瘍の32例で、男性14例、女性18例、年齢中央値66歳、膵癌29例、IPMN4例(1例は膵癌とIPMNの合併例)。撮影装置はTOSHIBA Aquillion 64(64列MDCT)、解析ソフトウェアはBody perfusion system(TOSHIBA medical system社)を使用し、解析法はMaximum slope法により行った。造影剤は4ml/secの速度で10秒間静脈注入し、60秒間同一部位で、自然呼吸下に撮影行った。得られたTime density curveからcolor mapを作成し、腫瘍部位および正常部位での血流の多寡の評価(PBF:pancreatic blood flow(ml/min/100g))を行った。【結果】33例中22例において、Perfusion CTによる解析が行えた。PBF(ml/min/100g)は、正常膵(22例)で121.8±25.1、膵癌(21例)で31.5±17.8、IPMN(2例)で74.5±10.9であった。切除例においては、病理学的検討を追加した。強拡大像における血管数をカウントし、10視野の平均値を算出した。結果は、正常膵(3例)で9.7±5.9、膵癌(2例)で、2.6±0.8、IPMN(1例)で5.3±1.8であり、PBFの結果との相関傾向を認めた。解析不能例では、病変が小さい、呼吸性変動が大きいなどの理由にて、撮影範囲から外れていた。【考察】膵癌部においては正常膵と比較し、PBFの低下が認められた。IPMNにおいてはその中間的な値をとった。病理学的検討にて、血管密度とPBFの相関傾向を認め、病理学的特徴を反映している可能性が考えられた。膵腫瘍の診断において、付加的な情報となる可能性が考えられた。また、解析失敗例が多かったことは64列MDCTであれば撮影時の工夫により現在は解析率の向上を認めているが、320列などdetectorの数が増えることにより解決できる問題と考える。 |
索引用語 | perfusion CT, 膵腫瘍 |