セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胃ポリープ生検翌日に出血性ショックとなった弾性線維性仮性黄色腫の1例 |
演者 | 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 籔内 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 三上 貴生(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 津田 喬之(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 李 宗南(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 中村 文保(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科) |
抄録 | 【症例】56歳、女性【主訴】吐血【現病歴】受診前日に近医で健診の上部消化管内視鏡検査を受け胃ポリープの生検を施行された。帰宅後体調に変わりなかったが、翌日朝より新鮮血の吐血を多量に認め、当院救急外来を受診となった。【臨床経過】受診時、出血性ショックであり、橈骨動脈触知せず、意識障害を伴い直ちに気管挿管されアルブミン製剤の投与を開始された。造影CTでは胃内へ造影剤のextravasationを認めた。消化管出血にたいし緊急で内視鏡検査を施行した。胃内には多量の新鮮血の貯留を認めた。胃体上部後壁の生検を行ったと思われる部位より噴出性の出血を認め、クリッピングにより止血が得られた。受診日にMAP 10単位、FFP 10単位、PC 20単位の輸血を要したが、後日施行した内視鏡検査でも止血が得られていた。入院後の経過は良好であり、入院10日目に後遺症なく退院となった。【考察】胃ポリープ生検後に本例のようなショックを来す程の多量出血を認めることはまれと思われる。本例では平成10年に眼底所見(網膜血管線条)、皮膚症状(頚部、腋窩の黄色丘疹)から弾性線維性仮性黄色腫(PXE)と診断されていた。PXEでは消化管の弾性線維も脆弱となり消化管出血を合併することが知られている。PXEの消化管出血の合併率は13%程度と報告されており、多くが胃粘膜からの出血である。本例の胃の生検組織からは標本が小さく弾性線維の変化を証明できなかったが、出血とPXEが関連している可能性があり興味深い。本例のようにPXEの患者では生検のみにおいても多量出血を来すことがあり、細心の注意を払う必要がある。 |
索引用語 | 消化管出血, 弾性線維性仮性黄色腫 |