セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
---|---|
タイトル | 肝生検で診断に至ったサルコイドーシスの一例 |
演者 | 中野 貴博(京都第一赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 世古口 悟(京都第一赤十字病院 消化器科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院 消化器科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院 消化器科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院 消化器科), 田中 信(京都第一赤十字病院 消化器科), 北市 智子(京都第一赤十字病院 消化器科), 小野澤 由里子(京都第一赤十字病院 消化器科), 川上 巧(京都第一赤十字病院 消化器科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院 消化器科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院 消化器科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院 消化器科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院 消化器科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院 消化器科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院 消化器科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院 消化器科), 榎 泰之(京都第一赤十字病院 病理診断科) |
抄録 | 【症例】28歳男性。【既往歴】特記事項なし。金属曝露歴なし。【現病歴】数年前より健診で両側肺野の多発粒状影を指摘されていたが精査は受けていなかった。健診で再度両側肺野の多発粒状影を指摘され、当院呼吸器科紹介受診。結核は否定的で気管支肺胞洗浄にてCD4/CD8比上昇がみられたためサルコイドーシスが疑われたが、経気管支鏡肺生検にて確定診断に至らず経過観察となっていた。その際の腹部CTで肝に多発する低吸収域を認めたため当科紹介受診となった。特に自覚症状なし。【経過】血液検査で肝機能・腫瘍マーカーは正常、ウイルスマーカー・自己抗体も陰性であった。MRIにてT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を呈し、造影効果の乏しい門脈周囲に多発する索状構造あり。門脈(P8c)の狭小化と右肝静脈の狭窄および側副血行路を認めた。経過からサルコイドーシスの肝病変が疑われたため、経皮的肝生検を施行した。肝生検組織では、巨細胞を伴う非乾酪性類上皮肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した。肝機能は正常で肺病変も改善傾向にあるためステロイドは使用せず、肝病変に対してウルソデオキシコール酸投与を開始し経過観察中である。【考察】肝臓のサルコイド肉芽腫の分布は門脈域から門脈周囲の小葉辺縁に多いとされる。自然治癒するもの多いが、ときに進行性の線維化や門脈圧亢進症を発症する。本症例は画像上門脈および肝静脈の狭窄を認める稀な病態であり、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | サルコイドーシス, 肝 |