セッション情報 一般演題

タイトル

肝転移巣の石灰化を経時的に追えたS状結腸癌の1例

演者 山内 雄揮(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科)
共同演者 木村 利幸(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 菱谷 英里子(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 平松 由紀子(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 生田 耕三(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 出田 雅子(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 高田 裕(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 野本 大介(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 梅田 誠(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 川崎  公男(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 松村 毅(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科), 斎田 宏(兵庫県立尼崎病院 消化器センター 消化器内科)
抄録 【症例】59歳、男性。【現病歴】2010年3月に上腹部痛のため当院救急外来受診。外来での腹部超音波検査にて肝臓に多発するhaloを伴うSOLを認めた。転移性肝腫瘍の疑いで、原発巣精査の目的で当科を紹介受診となる。【既往歴】高血圧。【家族歴】特記すべき事項なし。【生活歴】飲酒:ビール500ml/日、喫煙:15本/日×40年、アレルギー:なし。【現症】身長:151.5cm、体重:46.4kg。眼球結膜に軽度の貧血を認めた。腹部は平坦、軟で心窩部に肝臓を3横指触知した。圧痛を認めなかった。下腿に浮腫を認めなかった。【検査所見】下部消化管内視鏡検査:S状結腸に全周性の2型腫瘍を認めた。同部位は、ファイバー通過せず。生検にて中分化型腺癌と診断された。胸腹部造影CT検査:S状結腸に25mm大の造影効果のある腫瘤を認めた。肝両葉に、最大で35mm大の多発する造影効果の乏しい低濃度域を認めた。石灰化は認めなかった。血液検査:WBC 8800 /μl、Hb 10.2 g/dl、PLT 29.2 万、PT 80 %、T-Bil 0.4 mg/dl、GOT 51 IU/l、GPT 28 IU/l、ALP 1237 IU/l、LDH 343 IU/l、γGTP 556 IU/l、Na 134 mEq/l、K 3.6 mEq/l、Cl 101 mEq/l、Ca 9.4 mg/dl、 CRP 4.00 mg/dl、HBs抗原 陰性、HCV抗体 陰性、CEA:3384.5 ng/ml、CA19-9 61.2 U/ml、AFP 2.6 ng/ml、PIVKA 24mAU/ml。【経過】S状結腸癌、多発肝転移と診断し、外科にて閉塞予防の目的で横行結腸人工肛門造設術を施行した。術後mFOLFOX6を2コース、4月よりBevacizmab/mFOFOX6を6コース施行した。8月よりBevacizmab/FOLFIRIへレジメンを変更し化学療法を継続した。計8コース施行するも、2011年3月に多量の下部消化管出血のため永眠された。経過中、2010年7月の単純CT検査にて肝転移巣に石灰化を認めた。その後も同年11月、2011年2月に腹部CT検査にて画像のフォローをしたが肝転移巣の石灰化は徐々に明瞭化した。【考察】肝転移巣が石灰化する大腸癌は比較的まれである。今回、肝転移巣の石灰化を経時的に追えたS状結腸癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 転移性肝腫瘍, 石灰化