セッション情報 一般演題

タイトル

閉塞性黄疸を来した肝門部肝細胞癌に対して、胆管ステント留置後放射線治療が奏功した1例

演者 酒井 新(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科)
共同演者 石原 朗雄(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 長谷川 徳子(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 山井 琢陽(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 福武 伸康(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 榊原 充(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 今中 和穗(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 大川 和良(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 山田 晃正(大阪府立成人病センター 外科), 村田 昌之(大阪府立成人病センター 放射線診断科), 中村 聡明(大阪府立成人病センター 放射線治療科)
抄録 【症例】73歳、男性。【主訴】なし。【既往歴】55歳 喉頭癌(Tis N0 M0 cStage1)に対して放射線治療、62歳・70歳C型慢性肝炎(1型・高ウイルス量)に対してインターフェロン治療行うもSVRを得られず。【現病歴】慢性C型肝炎、肝細胞癌で外来通院中であった。71歳 S8 1.5cmの肝細胞癌に対して前区域切除術を施行。72歳 S4 2cmの肝細胞癌に対してTACEを施行した。2010年9月黄疸が出現。造影CTでS4に約2cmの淡い早期濃染を呈する肝細胞癌の再発をみとめ、両葉の肝内胆管の拡張をみとめた。また、AFP 315ng/ml、PIVKA-2 605mAU/mlと腫瘍マーカーの上昇をみとめた。肝細胞癌の胆管浸潤と診断し、治療目的で入院となった。【経過】ERCPを施行したところ、肝門部に1.5cmの圧排様の狭窄をみとめた。6Fr 10cmのdouble pig tail tubeを右肝管に留置し、その後の減黄は良好であった。肝細胞癌の治療について検討したが、病変が肝門部の切除断端で腸管の癒着があること、動脈血流が乏しいことなどから、外科的切除・経皮治療・TACEは困難と判断した。アイエーコール100mgのone shot動注、および放射線治療(50Gy/25Fr)を施行した。その後外来で経過観察中であるが、画像上縮小および腫瘍マーカーの低下(AFP 10ng/ml、PIVKA-2 95mAU/ml)を維持している。【考察】閉塞性黄疸を来した肝門部肝細胞癌に対して、胆管ステント留置後放射線治療を行い、治療効果をみとめた症例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝細胞癌, 放射線治療