セッション情報 | ワークショップ1「上部消化器及び小腸出血における最近の動向」 |
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タイトル | 当院における上部消化管出血に対する緊急内視鏡検査の現状 |
演者 | 岩崎 竜一朗(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科) |
共同演者 | 由雄 敏之(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 坂根 貞嗣(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 田村 猛(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 田中 絵里(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 伊藤 麻里(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 荒木 学(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 末村 茂樹(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 湯口 清徳(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 長谷川 裕子(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 榊原 祐子(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 外山 隆(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 中水流 正一(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 葛下 典由(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科), 三田 英治(国立病院機構 大阪医療センター 消化器科) |
抄録 | 【背景・目的】近年、内視鏡技術の進歩により消化管出血は様々な処置具を用いることで安全かつ確実に内視鏡止血術を行うことが可能となった。しかし、消化管出血の病態は多岐にわたり、止血困難例や再出血、死亡例も存在する。今回、上部消化管出血における当院での緊急内視鏡検査の特徴について検討した。【方法】2006年4月から2010年3月までの5年間に行われた緊急内視鏡検査622例のうち、上部消化管内視鏡検査を施行したのは428例であった。異物除去を除いた非静脈瘤出血の症例は339例(男性241例、女性98例、平均年齢65.4歳)であった。このうち再出血例、手術例、原疾患で死亡した28症例(男性21例、女性7例)を治療困難群とし、治療不要であった205例、1回の止血処置で止血した106例を合わせた311例を治療容易群とし、患者背景等について検討した。また、これら2群を予後予測スコアであるRockall risk scoring system (RRS;0~11点)を用いて再出血・死亡リスクの予測が可能かどうかについても検討した。【結果】治療困難群の出血原因としては胃潰瘍(42.9%)、癌出血(10.5%)の順に多かった。治療困難例の背景としては担癌状態(35.7%)、基礎疾患(28.6%)を有するものが多かった。治療困難群は治療容易群に比べて内視鏡検査開始前までのinitial RRSには有意差を認めなかったが、内視鏡検査終了時点での complete RRSは有意に高かった(P<0.01)。【結語】当院では基礎疾患を有する症例や、癌出血における治療困難例が多かった。RRSを用いた内視鏡止血処置の適応決定・予後予測は困難であったが、処置後の治療予後予測における有用性が示唆された。 |
索引用語 | 上部消化管出血, 緊急内視鏡検査 |