セッション情報 シンポジウム1「進行肝細胞癌に対する治療戦略」

タイトル

大阪赤十字病院における進行肝癌に対する治療戦略

演者 邉見 慎一郎(大阪赤十字病院 消化器科)
共同演者 木村 達(大阪赤十字病院 消化器科), 大崎 往夫(大阪赤十字病院 消化器科), 赤穂 宗一郎(大阪赤十字病院 消化器科), 越川 頼光(大阪赤十字病院 消化器科), 犬塚 義(大阪赤十字病院 消化器科), 竹田 治彦(大阪赤十字病院 消化器科), 松田 史博(大阪赤十字病院 消化器科), 中島 潤(大阪赤十字病院 消化器科), 金坂 卓(大阪赤十字病院 消化器科), 坂本 梓(大阪赤十字病院 消化器科), 石川 哲朗(大阪赤十字病院 消化器科), 齋藤 澄夫(大阪赤十字病院 消化器科), 西川 浩樹(大阪赤十字病院 消化器科), 喜多 竜一(大阪赤十字病院 消化器科)
抄録 【目的】Sorafenibへの移行時期を念頭に当院における進行肝細胞癌に対する治療戦略について報告する。尚、進行肝細胞癌の定義は手術不能、RFA適応外の病変とする.
【治療法】当院では切除不能肝細胞癌に対し2009年6月から2011年3月の21ヶ月間においてIVR331セッション(172症例),PEIT124セッション(68症例),Sorafenib 67症例を治療法として選択している。治療法の選択においては全身状態や腫瘍の進行状況等から総合的に判断されるが,現時点ではStage4でなければまずIVRを施行し,IVR不応例についてはSorafenibに移行している.Stage4であればSorafenibを第一選択として治療している.
Sorafenibの適応については絶対的な条件ではないがPS0または1,Child-pugh score(CP score)5-7点を基準としている(但しT-Bil>3の症例は適応外としている).CP score8点の症例に対しては2例投与行っているが,何れも早期に副作用により中止している.CP score7点の症例については400mg投与では.尚、現在では腎機能については制限を設けず,透析症例についても3例投与している.併用療法としては放射線療法を5例おこなっている.Sorafenib投与例のHCC治療歴は平均7.3年であり前治療としてIVR59例,PEIT12例,全身化学療法8例が施行されている.
【成績】全生存期間は中央値274日,画像評価は41例についてModified RECISTにて行われCR1例,PR5例,SD15例,PD20例であった.副作用による中断,中止は28例に認められた.48例が投与終了しており後治療についてはIVR8例,治験を含む全身化学療法5例であった.
【考察】当院でのSorafenibの治療成績はSHARP試験と比して満足できるものではない.これはHCC治療歴が長く,前治療としてIVR繰り返された事が一因と考える.現在治療早期段階での導入について検討中である.
索引用語 肝細胞癌, 分子標的薬