セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | Segmental arterial mediolysisと考えられた後腹膜出血の一例 |
演者 | 加藤 萌由(京都府立与謝の海病院 消化器科) |
共同演者 | 城 正泰(京都府立与謝の海病院 消化器科), 廣瀬 亮平(京都府立与謝の海病院 消化器科), 井上 健(京都府立与謝の海病院 消化器科), 玄 泰行(京都府立与謝の海病院 消化器科), 土肥 統(京都府立与謝の海病院 消化器科), 時田 和彦(京都府立与謝の海病院 消化器科) |
抄録 | Segmental arterial mediolysisと考えられた後腹膜出血の一例京都府立与謝の海病院 消化器科加藤萌由、城正泰、廣瀬亮平、井上健、玄泰行、土肥統、時田和彦症例は49歳女性.既往歴はなし.2日前からの右側腹部痛を主訴に前医を受診し、急性膵炎の疑いで入院となったが、翌日、腹痛の増悪と貧血の進行を認め、さらにCTで膵周囲の血腫を認め、当院へ紹介となった.腹部造影CTでは広範な後腹膜血腫と膵頭部に5mm大の動脈瘤を認め、主膵管拡張を伴っていた.当日、緊急血管造影を行ったところ、上腸間膜動脈より分岐する下膵十二指腸動脈に2ヵ所紡錘状の動脈瘤を認めた.一方の瘤から造影剤の漏出を認めたため、同部位の動脈瘤の破裂と判断し、コイリングにより止血を行った.術後、血腫は縮小傾向で、主膵管拡張も消失し、経過順調であった。もう一方の動脈瘤の治療目的に、術後5日目に再度血管造影を施行したところ、下膵十二指腸動脈領域に新たな紡錘状の動脈瘤を複数認めたため、可能な範囲でコイリングを追加した.その後経過良好で、第12病日に退院となった.患者に明らかな基礎疾患がないこと、発熱や炎症反応上昇見られず、血管炎の所見に乏しいこと、紡錘状の動脈の拡張、血管径の不整などの画像所見からSegmental arterial mediolysis (SAM)と診断した.SAMは,共通の基礎疾患がなく、中高年者の男女に発症し、腹腔・上下腸間膜動脈系の筋性動脈の突然破裂で発見される原因不明の稀な疾患である.文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | SAM, 後腹膜血腫 |