セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 食道癌に対する化学放射線療法後に大動脈食道瘻をきたした一剖検例 |
演者 | 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院 消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院 消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院 消化器内科), 木下 輝樹(ベルランド総合病院 消化器内科), 小川 敦弘(ベルランド総合病院 消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院 消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院 消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院 消化器内科), 山内 道子(ベルランド総合病院 病理診断科), 川野 潔(ベルランド総合病院 病理診断科) |
抄録 | 症例は61歳男性。嚥下時のつかえ、心窩部痛が持続するため当院を受診。上部消化管内視鏡で上切歯列より30cmに潰瘍形成を伴う凹凸不整な隆起性病変を認め、生検では扁平上皮癌であった。胸部CTで大動脈浸潤を認め、T4N0M0stageIIIaと診断した。化学放射線療法としてFP(5-FU 700mg/m2、CDDP 70mg/m2)2コースと放射線療法(60Gy)を開始した。治療開始直後には38度台の高熱を認め、麻薬性鎮痛薬を必要とする強い疼痛が持続した。化学放射線療法終了後の内視鏡検査で原発巣は深い潰瘍を形成しており、大動脈食道瘻をきたす恐れがあると考えられた。血管外科にもコンサルトを行ったが、保存的に経過をみることとなった。化学放射線療法開始後86日目に前胸部痛を伴う吐血をきたし、ショック状態となった。胸部CTでは造影剤の血管外漏出像を認め、同日永眠された。病理解剖では大動脈食道瘻が確認され、周囲には細菌感染を伴っていたが、食道及びリンパ節には癌細胞の残存は認めなかった。【結語】本邦において周囲臓器浸潤を伴う食道癌に対する標準治療は化学放射線療法であるが、一方で治療関連死もしばしば報告されている。中でも大動脈食道瘻は化学放射線療法における致死的合併症の一つであり、治療における大きな障害となる。今回我々は化学放射線療法後にCRとなるも大動脈食道瘻により不幸な転帰をきたした一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 大動脈食道瘻, 化学放射線療法 |