セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
---|---|
タイトル | 診断に苦慮した後腹膜腫瘍の1例 |
演者 | 花田 宗一郎(近畿大学医学部 奈良病院) |
共同演者 | 奥田 英之(近畿大学医学部 奈良病院), 秦 康倫(近畿大学医学部 奈良病院), 木下 大輔(近畿大学医学部 奈良病院), 茂山 朋広(近畿大学医学部 奈良病院), 宮部 欽生(近畿大学医学部 奈良病院), 豊澤 昌子(近畿大学医学部 奈良病院), 岸谷 譲(近畿大学医学部 奈良病院), 川崎 俊彦(近畿大学医学部 奈良病院), 工藤 正俊(近畿大学医学部付属病院) |
抄録 | 【症例】66歳の男性。【既往歴】糖尿病、高血圧、うつ病【主訴】全身倦怠感【現病歴】糖尿病で前医に通院中に、感冒症状が出現したため、抗生剤(TAZ/PIPC)を投与された。しかし、症状の改善を認めなかったために、精査目的で前医に入院となった。入院後、腹部CT・MRIを施行したところ、後腹膜腫瘍を認めた。入院後より全身状態の悪化を認めたために、精査加療目的にて当院に転院となった。【入院後経過】転院後に造影CTを施行したところ、腹水の貯留と右副腎に巨大な腫瘍を認め肝臓から門脈にまで浸潤していた。上部消化管内視鏡検査では異常所見を認めなかった。腹腔穿刺を施行するも、細胞診では異常所見は認めず、漏出性腹水(比重1.016)であった。転院時より、血液データ上悪性腫瘍に伴うDIC(DICスコア6点)も疑われた。出血の危険があるため、腫瘍生検は施行できなかった。入院後は絶飲絶食にて高カロリー輸液を開始し、DICに対しAT3製剤投与し、感染症に対しMEPM(1.5g/日)の投与を開始した。しかし、入院後3日目より水様性下痢が出現し、頻回の嘔吐を認め、呼吸状態も悪化し、酸素投与開始するも呼吸状態は改善せず、入院後6日目に永眠された。十分なインフォームドコンセントを行い、病理解剖を行った。【剖検結果】画像診断上は右副腎原発の腫瘍を疑っていたが、病理解剖の結果は低分化型肝細胞癌であり、門脈・右副腎にまで直接浸潤していた。低分化型肝細胞癌について若干の文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 | 低分化肝癌, 門脈浸潤 |