セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
多彩な内視鏡像を示した非閉塞性腸管虚血症(NOMI)の1例
|
演者 |
坂上 共樹(公立山城病院 消化器科) |
共同演者 |
黒田 雅昭(公立山城病院 消化器科), 石破 博(公立山城病院 消化器科), 今井 昭人(公立山城病院 消化器科), 新井 正弘(公立山城病院 消化器科) |
抄録 |
多彩な内視鏡像を示した非閉塞性腸管虚血症(NOMI)の1例 症例は74歳、男性。既往歴に糖尿病、高血圧、高脂血症があり近医へ通院加療中であった。自宅にて嘔吐の出現、体動困難、血圧低下を認め当院へ救急搬送された。造影腹部CT検査では結腸全体に著明な拡張と液体貯留を認めた。主要血管の描出は良好であり血管性病変は否定的であった。閉塞機転を有するイレウスは否定的であり、同日入院後、抗生剤投与、輸液加療を開始した。翌日、腎機能の増悪を認めたため、持続血液濾過透析を導入し、循環動態の安定を図った。第2病日より水様性下痢の持続を認めた。第23病日に下部消化管内視鏡検査を施行した。上行結腸に単発性潰瘍、横行結腸中部から下行結腸に連続する縦走潰瘍、S状結腸、直腸に全周性の深掘れ潰瘍を認めた。心電図変化などの再検討を行い、ACSの発症に伴い、腸管への低潅流、腸管虚血により発症した非閉塞性腸管虚血症(NOMI)が考えられた。その後、全身状態は保存的加療により改善を認め、第53病日に下部消化管内視鏡検査再検にて、前回のそれぞれの所見の改善を認めた。非閉塞性腸管虚血症(NOMI)は、器質的な血管の閉塞を認めず、心不全、敗血症、ショックなど全身の循環不全状態に伴う血管攣縮により広範に腸管の壊死をきたす疾患である。本症例は内視鏡にて経過観察を行い多彩な所見を示しており、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
非閉塞性腸管虚血症, NOMI |