セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | 経乳頭的ドレナージ術が奏功した胃切除後の巨大膵仮性嚢胞の2例 |
演者 | 安冨 栄一郎(神戸大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 | 塩見 英之(神戸大学 医学部 消化器内科), 池川 卓哉(神戸大学 医学部 消化器内科), 小林 隆(神戸大学 医学部 消化器内科), 寺島 禎彦(神戸大学 医学部 消化器内科), 角山 沙織(神戸大学 医学部 消化器内科), 松木 信之(神戸大学 医学部 消化器内科), 坂井 文(神戸大学 医学部 消化器内科), 竹中 完(神戸大学 医学部 消化器内科), 田中 擴址(神戸大学 医学部 消化器内科), 増田 充弘(神戸大学 医学部 消化器内科), 杉本 真樹(神戸大学 医学部 消化器内科), 藤田 剛(神戸大学 医学部 消化器内科), 水野 成人(神戸薬科大学 医療薬学研究室), 久津見 弘(神戸大学 医学部 消化器内科), 早雲 孝信(神戸大学 医学部 消化器内科), 東 健(神戸大学 医学部 消化器内科) |
抄録 | 【症例1】 52歳女性。32歳で十二指腸潰瘍に対して、幽門側胃切除術+BillrothII法再建を施行。40歳時より計13回アルコール性慢性膵炎急性増悪で入退院を繰り返していた。2010年5月、飲酒後、腹痛を認めたため近医受診し、CTにて膵炎の増悪と膵頭部から肝門部まで広がる60mm大の膵仮性嚢胞を指摘された。保存的加療を行うも、腹痛や嚢胞径が改善しないため、当院へ転院となった。内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を施行したところ、膵管造影にて主膵管と嚢胞の交通を確認できたため、経乳頭的嚢胞内に7Frの外瘻チューブを留置した。その後のCTにて、嚢胞の著明な縮小を認め、内瘻化を行い、退院となった。現在、外来にて経過観察中であるが、嚢胞は消失している。【症例2】51歳男性。飲酒歴なし。25歳で十二指腸潰瘍に対して、幽門側胃切除術+BillrothII法再建を施行。43歳時より慢性膵炎急性増悪のため入退院を繰り返している。外来経過観察中に、膵鉤部から肝門部にかけて連続性する58×52mm大の膵仮性嚢胞を認めた。保存的加療を行っていたものの頻回の腹痛発作があり、2010年5月に精査加療を目的に当院に転院となった。ERCPを施行したところ、主膵管と嚢胞に交通が認められたため、嚢胞内に7Frの外瘻チューブを留置した。その後の腹部CTで嚢胞は縮小傾向にあったものの、まだ残存していたため、内瘻化を行い退院となった。現在、外来経過観察中であるが、嚢胞は消失している。【まとめ】胃切除後に発生する膵仮性嚢胞は肝門部まで進展し、巨大化する傾向があり、治療に難渋することがある。今回我々は胃切除術後の巨大膵仮性嚢胞に対して、経乳頭的ドレナージ術が有用であった2例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵仮性嚢胞, 経乳頭的ドレナージ |