セッション情報 |
シンポジウム1「進行肝細胞癌に対する治療戦略」
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タイトル |
ソラフェニブ投与による肝細胞癌治療の効果判定と肝障害予測でのソナゾイド造影エコーの有用性
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演者 |
大濱 日出子(市立池田病院 消化器内科) |
共同演者 |
井倉 技(市立池田病院 消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】肝細胞癌に対するソラフェニブは長期投与による生存期間の延長を期待されるが、特定使用成績調査中間報告では1カ月以上継続出来たのは55%に過ぎなかった。投与中止例では肝機能低下や肝梗塞を起こし、治療効果に加え肝障害を予測するバイオマーカーの同定が急務である。今回、我々はソラフェニブ投与早期の血流変化により治療効果と肝障害の予測が可能か検討した。 【対象と方法】切除不能、局所治療適応外でChild-Pugh AまたはBの肝細胞癌患者を対象とし2010年6月よりprospectiveに検討した。ソラフェニブは体重50kg未満400mg/日、50kg以上600mg/日より開始した。投与前、投与後1、3、7、14、28日目に腫瘍マーカーを測定、投与前、投与後3、7、14、28日目にLOGIQ 7にてソナゾイド0。075ml/kgをbolus shotしRaw dataよりtime intensity curveを作成、Peak Intensity (PI)、Time to peak intensity (TtoPI)、Gmax (time=0の傾き)、Area of under the curve during wash-in (PIまでのAUC)を計測して血流評価を行った。また投与前、投与後28日目に造影CTを行いmodified RECISTで効果判定をした。【結果】症例は9例、1か月以上投与可能であったのは6例でPR 2例、SD 4例であったが、SDのうち2例には一部壊死を認めた。Day3のGmaxが低下していた4例は1ヶ月後のCTで壊死を認め、PIVKA-IIはDay14で上昇を認めた。またソラフェニブ継続例と中止例で非癌部のDay3のGmaxを比較したところ、中止例の方が低下していた。更に門脈腫瘍栓の有無で非腫瘍部のGmaxを比較したところ、VP3、4症例では低下を認めた。【結論】 ソラフェニブ投与3日後の腫瘍部及び非腫瘍部のGmaxが治療効果判定、肝障害予測に有用である可能性が示唆された。 また門脈腫瘍栓例では非腫瘍部の血流が低下し、治療成績不良の要因のひとつになっている可能性が示唆された。 |
索引用語 |
ソラフェニブ, 造影エコー |