セッション情報 |
ワークショップ2「膵腫瘍性病変の診断と治療」
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タイトル |
EUS-FNAと造影ハーモニックEUSを用いた膵腫瘍の診断
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演者 |
松木 信之(神戸大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 |
塩見 英之(神戸大学 医学部 消化器内科), 早雲 孝信(神戸大学 医学部 消化器内科), 東 健(神戸大学 医学部 消化器内科) |
抄録 |
【目的】EUSは膵腫瘍性病変の質的診断のための優れた検査法として広く普及しているが、膵癌とその他の疾患との鑑別に苦慮するケースも多い。当施設では、EUS-FNAと造影ハーモニックEUS(CH-EUS)とを併用することにより診断能の向上を目指している。そこで今回我々は、膵腫瘍性病変の診断におけるEUS-FNAとCH-EUSの有用性について検討した。【対象・方法】膵腫瘍性病変に対して2009年10月以降、当院にてEUS-FNAを施行した62例(膵癌45例、腫瘤形成性膵炎10例、腺房細胞癌2例、NET2例、悪性リンパ腫1例、SPN1例、腎癌膵転移1例)と2010年6月以降、CH-EUS施行した21例(膵癌10例、腫瘤形成性膵炎7例、NET3例、腎癌膵転移1例)について検討した。【結果】EUS-FNAを施行した62症例の検体採取率は98.4%、正診率は95.2%であり、感度は95.7%、特異度は100%であった。CH-EUS を施行した21症例のうち、Hypovascular patternを呈したのは11例であり、内訳は膵癌9例、腫瘤形成性膵炎2例であった。Isovascular patternを呈したのは6例であり、内訳は膵癌1例、腫瘤形成性膵炎5例であった。またhypervascular patternを呈したのはNETと腎癌膵転移の全4例であった。膵低エコー腫瘤における膵癌のCH-EUS診断の感度は90%、特異度は81.8%であった。【結語】膵腫瘍性病変に対するEUS-FNAの正診率は良好であったが、中には偽陰性となる症例も存在した。補助的診断としてCH-EUSを組み合わせる事で、より診断能が向上する可能性が示唆された。 |
索引用語 |
膵癌, EUS |