セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 難治性潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法の有用性と問題点の検討 |
演者 | 峯 宏昌(近畿大学医学部付属病院 消化器内科) |
共同演者 | 櫻井 俊治(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 大本 俊介(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 高山 政樹(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 永井 知行(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 川崎 正憲(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 朝隈 豊(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 松井 繁長(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 樫田 博史(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部付属病院 消化器内科) |
抄録 | 【背景と目的】潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)における免疫調節薬や生物学的製剤など薬物療法の進歩がもたらした影響は大きく、従来の治療法で寛解導入や維持が困難な症例、とりわけ、ステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎に対して有効性が示されている。しかしながら、免疫調節薬や生物学的製剤の副作用例や効果不十分例など、なお課題は残っている。そこで今回我々は非薬物療法である白血球除去療法のステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎に対する有効性について検討した。【方法】2010年6月~2011年5月に当科にて経過観察している158症例のUC患者のうち、ステロイド投与で寛解導入できず、CAP療法を併用した25症例と免疫調節薬の投与を行った重症潰瘍性大腸炎32症例を対象に検討を行った。【成績】ステロイド投与中にCAP療法を施行した25症例は65歳以下が21症例、65歳以上が4症例、男性11症例、女性14症例であり、CAP療法前の炎症部位は全結腸型16症例、左半結腸型7症例、直腸炎型2症例で、LCAPを12症例(44.4%)、GCPを15症例(55.5%)が施行された。結果として、CAP療法後に寛解導入できたのは12症例(48%)で、うち3症例(12%)で離脱できた。また免疫調整剤を投与した32症例のうち7症例(21.9%)にて副作用を認めたが、CAP施行中に副作用等で中止となった症例は3症例(12%)であった。【結論】白血球除去療法は安全性において他の治療法より優れており、特にステロイド抵抗性難治性潰瘍性大腸炎において、早期に積極的に導入することで、臨床効果および患者のQOLをより向上させることが可能であると考えられ、活動期潰瘍性大腸炎の有効な寛解導入療法としてステロイド投与量の減少ばかりでなく、ステロイド離脱の可能性もある治療法と考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 白血球除去療法 |