セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | インフリキシマブが有効であった難治性潰瘍性大腸炎の1例 |
演者 | 高山 政樹(近畿大学 消化器内科) |
共同演者 | 大本 俊介(近畿大学 消化器内科), 峯 宏昌(近畿大学 消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大学 消化器内科), 永井 知行(近畿大学 消化器内科), 川崎 正憲(近畿大学 消化器内科), 朝隈 豊(近畿大学 消化器内科), 櫻井 俊治(近畿大学 消化器内科), 松井 繁長(近畿大学 消化器内科), 樫田 博史(近畿大学 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学 消化器内科), 山本 典雄(近畿大学堺病院 消化器内科), 辻 直子(近畿大学堺病院 消化器内科), 船井 貞往(近畿大学堺病院 消化器外科), 富田 尚裕(兵庫医科大学病院 下部消化管外科), 池内 浩基(兵庫医科大学病院 下部消化管外科) |
抄録 | 症例は40歳代、女性。潰瘍性大腸炎(以下UC)で平成21年10月17日近畿大学堺病院に入院、ステロイド・免疫調節薬投与にて加療していた。腹痛が増強したため11月15日CTを施行したところfree airを認めた。大腸穿孔と判断し同日緊急手術となった。横行結腸中央部に1cm大の穿孔を認め、穿孔部位でストマ造設、loop colostomyが施行された。その後ストマから出血が続き輸血を要したが、11月17日大量出血を認めたため、11月26日にS状結腸までの結腸切除術と回腸皮膚瘻、S状結腸粘液瘻造設が施行された。その後プレドネマ注腸20mg・ペンタサ注腸1gで治療を継続し、症状の改善を認め平成22年1月17日退院となった。退院後も同治療を継続していたが、5月上旬より肛門及びストマからの出血を認めるようになり、また下部消化管内視鏡検査にて残存大腸に広範な潰瘍を認めUC再燃と判断された。UCのコントロール不能のため6月5日当科に紹介入院となった。6月22日よりLCAPを3回/週で開始し、7月3日まで計10回施行し7月5日退院した。しかしすぐに再出血を認め、7月14日再入院となった。入院時下部消化管内視鏡検査で直腸~ストマ開口部にかけて潰瘍が多発していた。直腸の深掘れ潰瘍からの生検でCMV-PCR陽性であったため7月15日よりガンシクロビル500mg/日を2週間投与したが、症状改善は認められなかった。8月2日よりインフリキシマブ5mg/kgを投与した。数回目から血便は治まり、その後症状の再発が無くなった。腸管再建目的で兵庫医科大学病院消化器外科に紹介。平成23年2月21日残存大腸全摘術、J型回腸嚢肛門吻合術、回腸ループ式人工肛門造設術が施行された。術後経過良好で現在外来フォローとなっている。[結語]今回我々はインフリキシマブが有効であった難治性潰瘍性大腸炎の1例を経験した。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, レミケード |