セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル

細菌性眼内炎にて発症し、腸腰筋膿瘍からの出血を続発した肝膿瘍の1例

演者 津久田 諭(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科)
共同演者 中橋 佳嗣(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 池田 広記(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 谷村 雄志(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 吉井 將哲(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 松本 泰司(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 諏訪 兼彦(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 堀 雄一(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 關 壽人(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科), 岡崎 和一(関西医科大学付属枚方病院 医学部 消化器肝臓内科)
抄録 症例は64歳男性。主訴は発熱、視力低下。2010年12月発熱、両眼の急激な視力低下を認め全眼内炎の診断にて当院緊急入院となった。血液検査の結果、白血球数増加、CRPの著明な上昇、肝・胆道系酵素の軽度上昇を認めた。腹部造影CT検査にて肝S7区域に円形の内部不均一な造影効果のない直径約12mm大の腫瘤を認めた。以上の検査から肝膿瘍、転移性細菌性眼内炎の診断のもと超音波ガイド下経皮的肝膿瘍ドレナージ術を施行した。肝膿瘍の膿汁、血液培養および眼内の細菌培養検査からKlebsiella pneumoniaeを認めた。肝膿瘍ドレナージ、抗生剤投与にて軽快傾向となり、第15病日腹部CT検査にて肝膿瘍縮小傾向認め、またドレナージチューブより排液なくドレナージチューブ抜去となった。第16病日再度発熱、呼吸状態悪化、白血球数増加、CRPの上昇認めた。血液培養からはCandida albicansを認めた。敗血症、ARDSの診断にて抗生剤、抗真菌薬にて軽快傾向となっていたが、第46病日後急激な貧血進行認め、腹部CTにて左後腹膜に内部不均一な直径約50mm大の腫瘤を認め、左腸腰筋膿瘍および血腫を疑った。腹部血管造影検査施行し左腸腰動脈からの出血を確認し塞栓術施行し止血した。その後状態改善傾向認め左後腹膜血腫に関しても縮小傾向となり経過観察中である。今回細菌性眼内炎にて発症し、腸腰筋膿瘍からの出血を続発した肝膿瘍の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝膿瘍, 細菌性眼内炎