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タイトル

肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法の治療効果判定~造影超音波検査と造影CTの比較検討~

演者 井上 達夫(近畿大学 医学部 消化器内科)
共同演者 畑中 絹世(近畿大学 医学部 消化器内科), 有住 忠晁(近畿大学 医学部 消化器内科), 早石 宗右(近畿大学 医学部 消化器内科), 田北 雅弘(近畿大学 医学部 消化器内科), 北井 聡(近畿大学 医学部 消化器内科), 矢田 典久(近畿大学 医学部 消化器内科), 萩原 智(近畿大学 医学部 消化器内科), 南 康範(近畿大学 医学部 消化器内科), 上嶋 一臣(近畿大学 医学部 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学 医学部 消化器内科)
抄録 目的:肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法の治療効果判定において、造影超音波検査(CEUS)の有用性を局所再発率をgold standardとして、造影CT(CECT)と比較検討を行った。方法:2007年2月から2008年3月の間に当院でラジオ波焼灼療法を施行し、効果判定をCEUSとCECTで行い得た62症例78結節を対象とした。CEUSによる効果判定は、治療部周辺をまずvascular phaseにて観察し、その後post-vascular phaseにてDefect-re-injection test (D-RIT)を施行し評価を行った。記録された画像を治療前のBモード画像もしくは造影超音波画像と比較し、判定を行った。それぞれ効果判定は以下のように行った。CEUS:CR with safety margin(+)(CR SM+);安全領域(margin)が5mm以上存在し、D-RITでablation領域に血流の残存を認めない。CR SM-;5mmの安全領域が不十分である、もしくはablation内に血流の残存を認める。遺残;vascular phase, もしくはD-RITで明らかな腫瘍の残存を認める。CECT:(CR SM+);腫瘍全体が治療CTもしくはMRI画像と比較し、5mm以上の安全領域を持って焼灼されている。CR with safety margin (-) (CRSM-); 腫瘍の残存を認めないが、5mmの安全領域が不十分である。遺残;早期濃染を示す腫瘍の残存を認める。結果:3症例は経過観察が行えず、最終的に59症例、74結節に対し、上記の評価を行った。平均腫瘍径は16.8±6.1mm、平均観察期間は911日(55~1461日)であった。経過観察中に16結節で局所再発を認めた。治療効果判定で、CR SM+と判定した結節の局所再発率はCEUSが6/37結節、CECTが7/48結節であった(N.S.)。一方、CR SM-と判定した結節の局所再発率はそれぞれCEUS:8/37、CECT:9/26であった(N.S.)。CEUSで遺残、CECTでCR SM-と判定した2結節で1年以内の局所再発を認めた。結論:ラジオ波治療の効果判定において造影超音波検査は造影CTと同等の評価が可能である。
索引用語 造影超音波, ラジオ波治療効果判定