セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | 消化管GISTを合併したvon Recklinghausen病の1例 |
演者 | 竹中 春香(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野) |
共同演者 | 田中 擴址(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 寺島 禎彦(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 角山 沙織(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 塩見 英之(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 藤田 剛(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 久津見 弘(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 早雲 孝信(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野), 東 健(神戸大学 大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野) |
抄録 | 症例は54歳、女性。平成23年3月、健診で膵鈎部に腫瘤を指摘され精査目的に当院へ紹介受診となった。体幹部にカフェオレ斑と神経線維腫を認め、von Recklinghausen病と診断された。腹部造影CTでは、膵鉤部に、20mm大の、動脈相から平衡相にかけて、周囲膵実質より遅れて徐々に造影される低吸収域を認め、浸潤性膵管癌が疑われた。また、上部空腸に、管腔外に突出する20mm大の、動脈相から強く造影される充実性腫瘤が認められ、小腸GISTが疑われた。EUSでは、膵鈎部病変は、境界明瞭で内部が比較的均一な低エコー腫瘤として描出され、十二指腸筋層と連続性があるように観察されたが、通常観察では同部に粘膜下腫瘍を疑う病変は指摘できなかった。浸潤性膵管癌としては非典型的な所見であったため、ソナゾイドを用いた造影EUSを行うと、膵鈎部病変は、早期から造影され、造影効果の遷延する多血性病変として観察された。ERCPでは,主膵管の拡張・狭窄はなく、下頭枝の走行および分枝に明らかな異常は認められなかった。以上の経過から、膵鈎部病変は、下十二指腸角に発生した十二指腸GISTである可能性が強く疑われ、診断目的にてEUS‐FNAを行った。病理学的所見では、紡錘形細胞集塊が認められ、c-kit強陽性、CD34強陽性、S-100陰性、desmin陰性であり、GISTと診断された。GIST診療ガイドラインでは、大きさが2cm以上で、病理組織学的にGISTと診断された病変は絶対的手術適応とされているが、本症例では術式が膵頭十二指腸切除術となる可能性が高く、現在経過観察中である。von Recklinghausen病は遺伝性疾患で、皮膚・神経病変など多彩な症状が認められ、消化器病変としてはGISTの合併頻度が高いとされている。今回、消化管GISTの多発が疑われるvon Recklinghausen病の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 十二指腸GIST, EUS-FNA |