セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル

当院で経験したCollangenous colitisの臨床学的特徴

演者 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院 消化器内科)
共同演者 小川 敦弘(ベルランド総合病院 消化器内科), 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院 消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院 消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院 消化器内科), 木下 輝樹(ベルランド総合病院 消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院 消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院 消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院 消化器内科), 山内 道子(ベルランド総合病院 病理診断部)
抄録 Collagenous colitisは慢性水様性下痢を主訴とし、大腸内視鏡所見はほぼ正常であるが、病理組織では大腸被蓋上皮下に特徴的な10μm以上のcollagen bandと炎症細胞浸潤を認める疾患とされている。本邦において近年薬剤に起因するcollagenous colitisの報告が増え注目されている。【目的・方法】2009年9月から2010年11月までの間に当院で大腸内視鏡を施行し、病理組織で大腸被蓋上皮下にcollagen band認め、collagenous colitisと診断した9症例(平均年齢75.8歳、男性/女性:3/6)で臨床学的特徴について検討した。【結果】全症例において水様性下痢を認め、平均便回数は5.8行/日であった。全症例でLansoprazoleを内服しており、NSAIDsの服用は3例で認めた。病悩期間は61.5日(15~210)で、Lansoprazoleの内服期間平均値は270日(180~420)であった。全例Lansoprazole中止後に水様性下痢は改善し、中止してから症状改善するまでの期間の平均値は5.1日(3~7)であった。なお、3例では症状改善後に大腸内視鏡検査を施行し、病理組織でcollagen bandの消失を確認した。また、Lansoprazole中止後に症状の再発は観察範囲内では認めなかった。【結果】Lansoprazole起因のcollagenous colitisは薬剤中止して全例すみやかに症状改善した。【まとめ】当院で経験したcollagenous colitis 9症例を症状改善後も経過観察し得た症例を含め若干の文献とあわせて報告する。
索引用語 Collagenous colitis, Lansoprazole