セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | FDP-PETにて治療経過を観察しえた腫瘤形成型膵炎像を呈した自己免疫性膵炎の一例 |
演者 | 大西 佐代子(近畿大学消化器内科) |
共同演者 | 坂本 洋城(近畿大学消化器内科), 北野 雅之(近畿大学消化器内科), 小牧 孝充(近畿大学消化器内科), 今井 元(近畿大学消化器内科), 鎌田 研(近畿大学消化器内科), 宮田 剛(近畿大学消化器内科), 門阪 薫平(近畿大学消化器内科), 筑後 考章(近畿大学 病理), 土手 健作(近畿大学 病理), 廣岡 友臣(府中病院 内科), 高柳 成徳(府中病院 内科), 工藤 正俊(近畿大学消化器内科) |
抄録 | 症例75歳、女性。近医にて高血圧で通院中。スクリーニングUSにて膵体部に低エコー腫瘤を指摘された。造影CTでは膵体部腫瘤は乏血性であり、腫瘤より尾側主膵管の拡張を認めた。PET-CT検査では膵体部に強い集積(SUVmax:3.83)を認め、膵体部癌が疑われ精査目的のため当科紹介となった。血液検査はCA19-9 22U/ml、CEA 2.2 ng/dlと正常であったが、IgG4が272ng/dlと高値であった。超音波内視鏡検査(EUS)では膵体部に比較的境界明瞭な低エコー腫瘤を認めたが、duct penetrating signが見られた。ソナゾイドを用いた造影EUS検査では腫瘤は膵周囲と同程度の血流を呈した。22G穿刺を用いEUS下穿刺吸引細胞診(FNA)を行なった。病理組織学的に悪性所見を認めず、小葉内に浸潤するリンパ球と形質細胞を認めた。以上のことより腫瘤形成型自己免疫性膵炎と診断し、プレドニン40mg/日より開始した。治療開始2週間後の血液検査ではIgG4 273ng/dlと治療前と値は不変であったが、PET-CTでは膵体部集積は消失し(SUVmax: 2.17)、バックグラウンドレベルとなった。今回、FDP-PETにて治療経過を観察しえた腫瘤形成型膵炎像を呈した自己免疫性膵炎症例を経験したため、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, 膵癌 |