セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 術前診断に難渋した嚢胞変性を伴った膵内分泌腫瘍の1例 |
演者 | 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科) |
共同演者 | 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器センター内科), 今井 幸弘(神戸市立医療センター中央市民病院 臨床病理科) |
抄録 | 症例は36歳女性。29歳時に左乳腺葉状腫瘍手術、33歳時に右乳癌手術の既往あり。突然の上腹部痛を認め他院受診し、アミラーゼ高値(1072 IU/l)を認め急性膵炎疑いにて同院入院となったが、腹部CTで膵体尾部に腫瘤を認め当科紹介となった。血液検査では明らかな異常所見は認めなかった。腹部超音波検査で膵体尾部に径40×32mmの境界明瞭な低エコー腫瘤が認められ、造影超音波では腫瘤の一部が染された。CTでは腫瘍内部に嚢胞成分と造影効果を有する分葉状のsolid portionが認められた。尾側膵管に拡張はなく、腫瘍の明らかな周囲浸潤や脈管浸潤は認められなかった。腹部MRIでは腫瘍内部のsolid portionはT1強調像で低信号、T2強調像で不均一ながら高信号を呈し、嚢胞部では出血性変化が疑われた。EUSでは膵体尾部に44.5×30.5mmの嚢胞域の目立たない境界明瞭な低エコー腫瘤として描出された。ERCPでは膵管像に異常なく、膵液細胞診も陰性であった。PET-CTでは膵腫瘍にFDGの集積(SUVmax 早期相4.23 遅延相5.95)を認めるも、他に病的集積は認めなかった。以上の結果より、出血壊死を伴う膵内分泌腫瘍やsolid pseudopapillary neoplasm、膵腺房細胞癌などが鑑別に挙げられたが、術前診断に難渋した。膵体尾部切除術が施行され、内分泌腫瘍と病理組織診断された。今回、出血壊死により嚢胞変性した内分泌腫瘍の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵内分泌腫瘍, 嚢胞性腫瘍 |