セッション情報 一般演題

タイトル

膵頭部腫瘍と鑑別が困難であった十二指腸憩室内結石の1例

演者 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター)
共同演者 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター), 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター), 薮内 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター), 三上 貴生(日本赤十字社和歌山医療センター), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター), 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター), 津田 喬之(日本赤十字社和歌山医療センター), 李 宗南(日本赤十字社和歌山医療センター), 中村 文保(日本赤十字社和歌山医療センター), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター)
抄録 症例は75歳男性。平成14年に当院で胃癌に対して胃全摘術・Roux-en-Y再建を行われていた。近医の腹部エコーで高エコー腫瘤を認め、他院のCTで膵頭部に腫瘤を認めたために平成22年6月30日紹介受診された。同日の当院の造影CTでは十二指腸下行脚背側・膵頭部右側に42mm×33mmの腫瘤を認めた。内部は低吸収域と高吸収域が数層に重なった同心円状で、造影効果はほとんどみられなかった。腫瘤は十二指腸・胆嚢・膵頭部・下大静脈に接しているが、境界は明瞭であった。平成19年の当院でのCTでは同部位に25mm×19mmの腫瘤を認め、緩徐に増大する腫瘍と考えられた。7月8日精査のために上部内視鏡検査を施行したが、胃癌術後・Roux‐en‐Y再建の影響で十二指腸は確認できなかった。8月25日のMRIではT1low(内部均一)・T2ややhigh(内部不均一)の腫瘤を認めた。良悪性の鑑別はつかなかったが、悪性の可能性を否定できないため、11月19日腫瘍摘出術を施行した。開腹すると十二指腸・膵頭部間に腫瘤を認めた。腫瘤を保持すると内部に硬い塊を触知し、徐々に縮小した。腫瘤を切開すると内部に結石を認め、内腔は十二指腸に繋がっていた。十二指腸憩室内の結石と考え、憩室切除と胆嚢摘出を行った。今回我々は、胃癌全的術・Roux-en-Y再建後のために、上部内視鏡検査で十二指腸内腔の観察を行えなかったことから膵頭部の腫瘍と考え、外科的切除に至った十二指腸憩室内の結石症例を経験した。
索引用語 十二指腸憩室, 膵癌