セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 興味ある画像所見を呈した膵腺房細胞癌の一例 |
演者 | 水口 綾(大津) |
共同演者 | 曽我部 裕子(大津), 財間 千景(大津), 西田 吉宏(大津), 稗田 信弘(大津), 松永 康寛(大津), 垣内 伸之(大津), 安村 聡樹(大津), 栗山 勝利(大津), 日高 健太郎(大津), 本庶 元(大津), 長谷川 和範(大津), 近藤 雅彦(大津), 西川 浩史(大津), 三宅 直樹(大津), 河南 智晴(大津) |
抄録 | 症例は70歳代男性。突然の上腹部痛で他院に救急搬送されたが、その際のCTで膵尾部に腫瘤性病変を指摘され、精査加療目的で当科入院となった。入院時、採血上はAMY133IU/Lと軽度上昇していたのみで、CEA,CA19-9,SPAN1などの腫瘍マーカーおよびIgG4も正常範囲内であった。腹部造影CTでは、膵尾部の腫大を認め、同部は全体に不均一な造影不良を呈しており、腫大領域には18x18mm程度の膵外方へ突出した嚢胞様構造を認めた。腹部Gd-DTPA MRIでは、膵尾部腫大領域はT1WIで淡い低信号、T2WIで淡い高信号を呈していた。CTにて嚢胞様構造を呈した突出部分はT1WIで不均一な高信号を呈し出血壊死と考えられた。EUSでは、膵尾部腫大領域は37x30mmの低エコー領域として描出され、CTにて嚢胞様構造を呈した突出部分は16x14mmの充実性低エコー腫瘤として描出された。また、ERCPでは、膵尾部に主膵管の不整な狭窄像と狭窄部位における不整な分枝膵管を認め、膵管ブラシ細胞診はclass3であった。画像所見から膵管癌を含めた腫瘍性疾患が疑われたため膵体尾部切除を行った。病理結果では、腫瘍細胞が腺房を模した大型のnestを形成しており、凝固壊死や出血も多数認めた。免疫組織化学的にはCD56, chromogranin A, synaptophysinいずれも陰性であった。以上から、膵腺房細胞癌(pT3N0M0)と診断した。今回我々は興味ある画像所見を呈した膵腺房細胞癌の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵腺房細胞癌, 膵嚢胞様構造 |