セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | 上腸間膜動脈瘤に対して、バルーン補助下のコイル塞栓術(neck remodeling technique)が有効であった1例 |
演者 | 松永 康寛(大津赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 松永 康寛(大津赤十字病院 消化器科), 財間 千景(大津赤十字病院 消化器科), 曽我部 裕子(大津赤十字病院 消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院 消化器科), 稗田 信弘(大津赤十字病院 消化器科), 垣内 伸之(大津赤十字病院 消化器科), 水口 綾(大津赤十字病院 消化器科), 栗山 勝利(大津赤十字病院 消化器科), 安村 聡樹(大津赤十字病院 消化器科), 日高 健太郎(大津赤十字病院 消化器科), 平本 秀二(大津赤十字病院 消化器科), 長谷川 和範(大津赤十字病院 消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院 消化器科), 近藤 雅彦(大津赤十字病院 消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院 消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院 消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院 消化器科), 中本 隆介(大津赤十字病院 放射線科), 山下 力也(大津赤十字病院 放射線科), 小林 久人(大津赤十字病院 放射線科) |
抄録 | 症例は72歳男性。2011年2月に発熱、全身倦怠感を認め3月に精査・加療目的に当科紹介受診となった。精査の結果、クレブシエラによる細菌性肝膿瘍と診断し、内科的治療にて経過良く治癒した。この際に撮影された腹部造影CT検査にて上腸間膜動脈(SMA)動脈瘤が認められた。瘤は下膵十二指腸動脈や空腸第1分枝を分岐した直後のSMA本幹に存在し、直径7mm大、長さ18mmにわたる嚢状の形態で、壁在血栓が認められた。動脈瘤破裂の危険性が考えられ何らかの治療が必要と考えられたため、改めて5月にSMA動脈瘤の治療のため入院となった。治療方法としては、侵襲の少ない血管内治療を選択した。本症例は瘤の頚部がやや広い形状であったため、コイル塞栓術を行う際にはコイルの逸脱を防止するため、塞栓用カテーテルと同時にバルーンカテーテルを使用し、バルーンが動脈瘤の頸部を覆うようにSMA本幹に留置した。瘤内をコイルで充填していくと途中で瘤の頸部からコイルがSMA本幹へ逸脱しそうになったため、バルーンを拡張させながらコイルの留置を試みたところコイルを瘤内にうまく留置することに成功した。最終的に瘤が造影されないことを確認し、終了した。術後経過順調で、軽快退院となった。頸部の広い形状のSMA動脈瘤にコイル塞栓術を行う際には、コイルが瘤から逸脱せずに留まることが重要であり、コイルが逸脱すると腸管虚血の原因となる。これを防止するため、今回我々は頭蓋内の動脈瘤に対して行われるneck remodeling techniqueを用いて、合併症なく終了することができた。腹部動脈瘤に対して本法を行った報告は、腹腔動脈瘤に対しての報告が1例みつかるのみであった。本法は腹部動脈瘤塞栓術を安全に行いうる有効な方法と思われたため報告する。 |
索引用語 | SMA動脈瘤, コイル塞栓術 |