セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | 当院にてこの10年間に経験したアメーバ性肝膿瘍の検討 |
演者 | 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科) |
抄録 | 当院にてこの10年間に経験したアメーバ性肝膿瘍の検討小川 智、高島健司、増尾謙志、松本知訓、和田将弥、福島政司、占野尚人、井上聡子、鄭 浩柄、杉之下与志樹、藤田幹夫、岡田明彦、猪熊哲朗神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科【目的】アメーバ性肝膿瘍は性風俗の多様化などにより近年国内感染例も増加傾向にある。今回我々は、当院にて経験したアメーバ性肝膿瘍の臨床的特徴について検討した。【方法】2001年4月以降当院にて加療したアメーバ性肝膿瘍13症例を対象に、臨床所見・治療経過について検討した。【結果】平均年齢は52.2歳、全例男性で、感染経路としては性的接触(同性 3例、異性 3例)による国内感染例が最多であった。膿瘍の最大径は4-13cm(平均8cm)と大きく、右葉/単発である症例がそれぞれ11例(84%)/10例(77%)と多くを占めた。治療は全例メトロニダゾールの内服にて加療(1例のみ点滴に移行)していた。穿刺治療については、経皮経肝的膿瘍ドレナージ術を施行されたのは11例(84%)で、1例は穿刺吸引のみを施行していた。経過中膿瘍の穿破を来した症例は3例あり、うち2例は12cmを超える巨大膿瘍の症例であった。穿破した3例のうち1例は緊急手術が必要であったが、2例はメトロニダゾールの内服にて保存的に加療可能であり、3例とも最終的には赤痢アメーバ症を治癒させることが可能であった。【結論】アメーバ性肝膿瘍は従来から言われているように、大きな膿瘍腔を形成しやすく時に穿破を来すため注意が必要と考えられた。穿破を回避するために大きな膿瘍を形成した場合にはドレナージ術の考慮も有用と考えられる。また、穿破した場合でも、メトロニダゾールの内服にて保存的加療を行える症例もあり、アメーバ性肝膿瘍の治療においては、メトロニダゾール内服とドレナージ術を有効に組み合わせて治療することが重要と考えられた。 |
索引用語 | アメーバ, 肝膿瘍 |