セッション情報 | ワークショップ2「膵腫瘍性病変の診断と治療」 |
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タイトル | 小膵癌におけるUS、MDCT、EUS(CH-EUS)の診断能の比較検討 |
演者 | 宮田 剛(近畿大学医学部付属病院 消化器内科) |
共同演者 | 坂本 洋城(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 門阪 薫平(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 鎌田 研(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 今井 元(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 小牧 考充(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 北野 雅之(近畿大学医学部付属病院 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部付属病院 消化器内科) |
抄録 | <目的>膵腫瘍性病変、特に膵癌の治療成績向上の為には確実な早期診断が重要である。今回我々は膵腫瘍性病変に対して各画像検査による膵腫瘍性病変の存在診断能および質的診断能の比較を行った。また、その中でTS1膵癌において症状、血中腫瘍マーカーおよび超音波(US)検査による拾い上げが行えるかどうかの検討を行った。<対象と方法>2001年3月から2011年5月までにUS、造影CT(CE-CT)、超音波内視鏡(EUS)、および造影EUS(CH-EUS)検査を行った膵腫瘍性病変226症例を対象とした。腹痛、背部痛、黄疸および糖尿病の悪化を有症状とした。各腫瘍マーカー(CA19-9、CEA、DUPAN-1、Span-2、アミラーゼ、Elastase-1、)を測定しいずれかが異常値を認めたものを陽性とした膵腫瘍性病変226例中通常型膵癌は167例であった。2cm以下の膵腫瘍55例中TS1膵癌は33例であった。TS-1膵癌の発見契機となったUS検査での間接所見は主膵管拡張(48%; 16/33)、膵嚢胞(21%; 7/33)、総胆管拡張(27%; 9/33)であった。腫瘍マーカー陽性は33例24例に認め有症状は18例に認めた。全てのTS-1膵癌において症状、腫瘍マーカー、USでの間接所見のいずれかが陽性であった。膵腫瘍性病変の検出率はUS、CE-CTおよびEUSはそれぞれ90%、96%、および98%であり各群間で有意差は認めなかった。2cm以下の病変の検出率は、US、CE-CTおよびEUSそれぞれ68%、56%、および96%であり、EUSはUSおよびCE-CTと比較して有意に存在診断能が優れていた。内部に不均一に造影する結節を含め周囲膵実質と比較してhypovascularであったものを通常型膵癌とした場合、CE-CT、とCE-EUSの感度は82%、69%であり、特異度は92%、80%であり、両群間で有意差は認めなかったが、TS1膵癌のCE-CTとCEH-EUSの感度は54%、73%、特異度は100%、68%であり、CEH-EUSはCE-CTと比べ有意に質的診断能に優れていた。<結語>USで間接所見がある場合や、腫瘍マーカー高値や有症状の場合には積極的にEUSやCE-CTなどを施行していくことが早期膵癌診断に重要と考えられる。またCEH-EUSは膵小病変の補助診断に有用と考えられた。 |
索引用語 | 膵腫瘍, 診断 |