セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | ソナゾイド造影にて胆嚢内への活動性出血を指摘し、PTGBDによる減圧が有効であった急性出血性胆嚢炎の1例 |
演者 | 藤原 晃(社会保険神戸中央病院 消化器科) |
共同演者 | 松田 英士(社会保険神戸中央病院 消化器科), 宮川 徹(社会保険神戸中央病院 消化器科), 婦木 秀一(社会保険神戸中央病院 消化器科), 山内 紀人(社会保険神戸中央病院 消化器科DELIMITER京都府立医科大学 消化器内科), 西林 宏之(社会保険神戸中央病院 消化器科), 安田 光徳(社会保険神戸中央病院 消化器科DELIMITER京都府立医科大学 消化器内科) |
抄録 | 今回我々は、簡便で、安全な方法であるPerflubutane (以下ソナゾイド)よる造影超音波にて、胆嚢内への活動性出血を、Real timeに、直視下に映像化し、認識し得たことで、早期に正確な診断が得られ、直ちにPTGBDによる減圧を行うことで、症状の軽快をみた急性出血性胆嚢炎の貴重な1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は、71才女性。慢性関節リウマチ、糖尿病、高脂血症、脊柱管狭窄症等で、近医にて免疫抑制剤服用しつつ通院中であったところ、平成23年4月22日より嘔吐、下痢出現、便にてノロウイルス腸炎と診断され加療中であった。同月25日転倒し、近医入院した際、強い右上腹部痛認め、マーフィー徴候陽性、発熱有り、肝機能軽度異常と、白血球数上昇、CRP21mg/dLと高値認め、腹部造影CTで、胆嚢腫大と壁肥厚等認め、急性胆嚢炎と診断され、加療目的で、4月28日当科紹介入院となった。同日当科で施行した、腹部造影CTでは、胆嚢は著明に緊満し、内部に形態が不明瞭で不均一な高吸収域を認め、胆嚢結石による胆嚢炎ないし胆嚢内出血による胆嚢拡張と診断した。MRCPでも、腫大した胆嚢内に不整形陰影欠損を認め、胆嚢結石ないし胆嚢内血腫を疑った。そこで、精査として、ソナゾイドによる造影超音波検査を行った。Bモードでは、腫大した胆嚢と壁肥厚、内部に不整形の高エコーが存在するものの、明らかな結石像は指摘出来なかった。高エコー腫瘤像より、血腫ないし胆嚢腫瘍との鑑別は要したものの、胆嚢内への出血を疑い、ソナゾイド造影を行ったところ、胆嚢の動脈相以降で、胆嚢壁から噴水状に流出するマイクロバブル像を持続的にみとめた。即ち、胆嚢内への持続的な活動性出血と直視下に認識し、出血性胆嚢炎と診断し得た。胆嚢の減圧が、症状軽減に必要と考え、同日、引き続きPTGBDを行った。排液は、黒色の血性で、排液後、疼痛は軽快した。以後、Labo Dataも徐々に改善し、第22病日退院となった。 |
索引用語 | 急性出血性胆嚢炎, ソナゾイド造影 |