セッション情報 シンポジウム2「下部消化管疾患における画像強調内視鏡の活用」

タイトル

スクリーニング大腸内視鏡検査における非拡大NBI観察の有用性

演者 日下 利広(京都桂病院消化器センター消化器内科)
共同演者 藤井 茂彦(京都桂病院消化器センター消化器内科), 國立 裕之(京都桂病院消化器センター消化器内科)
抄録 【背景】NBI拡大観察を用いた診断は有用であるが,狭帯域光拡大観察に保険点数がついた現状でも飛躍的に拡大内視鏡が全国的に普及したとは言い難く,日常のスクリーニング検査では拡大観察と非拡大観察が混在している病院も多いのが実情であろう.そこで今回,当院における非拡大NBI観察による大腸腫瘍の診断成績を解析し,スクリーニング大腸内視鏡検査における非拡大NBI観察の有用性について検討した.【対象と方法】2010/1/1から2011/3/31までに非拡大大腸内視鏡検査を行い,生検もしくは切除材料で組織診断がついた489病変を対象とした.非拡大NBI観察はNICE(NBI international colorectal endoscopic classification)分類を用い,組織診断および拡大色素/NBI診断と後ろ向きに比較検討した.【結果】病変は非腫瘍/腺腫/ m-sm1癌/sm癌:57/368/ 60/4病変であった.NICE分類は,非腫瘍ではtype1/2/3:47/10/0病変,鋸歯状腺腫ではtype1/2/3:6/8/0病変,その他の腺腫ではtype1/2/3:8/346/0病変,m-sm1癌ではtype1/2/3:1/59/0病変,sm-massive癌ではtype1/2/3:0/2/2病変であった.また治療例での拡大色素およびNBI診断(広島分類)は,type1病変(11病変)ではI/II/IIIL-IV/V型:0/9/2/0病変とA/B/C 型:8/3/0病変で,type2病変(185病変)ではI/II/IIIL-IV/VI/VN型:0/1/133/51病変とA/B/C1/C2 型:1/130/52/2病変で,type3病変(2病変)はVI型とC2型であった.【考察】後ろ向き検討で非拡大でもNBI観察は有用と考えられ,当日は現在進めている前向き検討の結果も併せて報告したい.
索引用語 大腸腫瘍, NBI