セッション情報 一般演題

タイトル

臍部に到る胆嚢腫大を呈した急性胆管炎の1例

演者 村井 一裕(大阪厚生年金病院 内科)
共同演者 塩出 悠登(大阪厚生年金病院 内科), 甲斐  優吾(大阪厚生年金病院 内科), 城 尚志(大阪厚生年金病院 内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院 内科), 武田 梨里(大阪厚生年金病院 内科), 森田 理恵(大阪厚生年金病院 内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院 内科), 貫野 知代(大阪厚生年金病院 内科), 西塔  民子(大阪厚生年金病院 内科), 中田  悠紀(大阪厚生年金病院 内科), 千葉  三保(大阪厚生年金病院 内科), 前田  晃作(大阪厚生年金病院 内科), 内藤  雅文(大阪厚生年金病院 内科), 道田  知樹(大阪厚生年金病院 内科), 伊藤  敏文(大阪厚生年金病院 内科)
抄録 【症例】90歳代、女性【主訴】発熱【既往歴】喘息、狭心症、手術歴なし【現病歴】2010年より特別養護老人施設入所中。2010年5月初旬より38℃台の発熱が出現し、持続するため当院救急搬送、腹部単純CT上、肝右葉周囲から臍部に到るSOLを認め、精査加療目的に当科入院となった。【経過】入院時のバイタルは体温38.9℃、血圧182/77mmHg、脈拍106bpm、酸素飽和度96%(room air)、皮膚・眼球結膜に黄染を認め、腹部では右季肋部に自発痛はないものの圧痛を認めた。体温入院時の採血はWBC 19300/μl、RBC 419×104/μl、Hb 13.3g/dl、Plt 8.1×104/μl、T-Bil 6.4mg/dl、AST 58IU/L、ALT 106IU/L、ALP 672IU/L、γ-GTP 201IU/L、CRP 29.76mg/dlと著明な炎症反応の上昇、Bil、肝酵素、胆道系酵素の上昇を認めAOSCを疑った。MRCPで腹部SOLと胆嚢の連続が疑われたため入院当日、腹部SOLに対して右側腹部より穿刺しpig tailカテーテルを留置しドレナージを施行。ドレーン内には茶褐色の漿液性排液を認めた。ドレナージ継続と抗生剤加療(SBT/CPZ 4g/day、GM 160mg/day)を施行した。第2病日に血小板数が2.0×104/μlと著明な低下を認めDICと判断し、ダナパロイドナトリウム2500単位開始した。第3病日に胆汁培養よりClostridium属の検出を認めCLDM 1200mgを開始した。腹部CT(第14病日)、MRCP(第15病日)では腹部SOLは縮小し、血液検査上もほぼ正常値へと改善を示した。第18病日施行したドレナージチューブからの再造影では腹部SOLは胆嚢と連続していた。また総胆管内の結石を認めたが、造影剤の十二指腸への流出はスムーズであった。採血上も炎症反応の低下を認めた。【まとめ】急性胆管炎は日常診療でよく遭遇する疾患であるが、本症例では臍部正中にまで胆嚢が著明に拡張しており稀少な症例と考え、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆嚢腫大, 急性胆管炎