セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル

非機能性錐内分泌腫瘍の一例

演者 西山 大地(市立福知山市民病院 内科)
共同演者 駒井 正太(市立福知山市民病院 内科), 堀田 祐馬(市立福知山市民病院 内科), 藤野 誠司(市立福知山市民病院 内科), 千藤 麗(市立福知山市民病院 内科), 新美 敏久(市立福知山市民病院 内科), 奥田 隆史(市立福知山市民病院 内科), 小牧 稔之(市立福知山市民病院 内科), 趙 秀之(市立福知山市民病院 外科), 香川 惠造(市立福知山市民病院 内科)
抄録 症例は41歳男性。主訴は心窩部痛。既往歴に幼少時虫垂切除術あり。平成22年6月初旬より心窩部痛あり当院内科受診。理学所見に明らかな異常なく、採血上軽度の胆道系酵素の上昇を認めるのみであった。精査目的に腹部CT検査施行したところ、膵尾部に径60mm大の造影効果を有する充実性腫瘤を認めた。腫瘤により脾静脈は閉塞もしくは著明に狭小化しており、胃大網静脈が側副路として発達していた。ダイナミックMRIにて、T1強調像で低信号、T2強調像ではやや高信号であり、動脈相ではあまり造影効果ないものの、遅延相で膵実質と同程度からやや造影効果を認めた。PETでは膵腫瘤に一致して集積があった。以上の画像検査より膵内分泌腫瘍を疑ったが、採血上明らかな異常なく、症状も心窩部痛以外の特異なものを認めなかったため、非機能性膵内分泌腫瘍と考えた。腫瘍マーカーは陰性であったが、大きさや諸検査より悪性を疑い、膵体尾部切除術を施行した。腫瘍細胞はCD56、chromogranin A陽性、synaptophysin陰性でWHO分類のwell differentiated endocrine carcinomaと診断した。腫瘍細胞の一部にcalcitonin産生が見られた。術後補助療法としてGEM投与を行い現在経過観察中である。膵癌の中では比較的稀な膵内分泌腫瘍を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵臓, 内分泌腫瘍