セッション情報 |
シンポジウム2(消化器病学会・肝臓学会合同)
C型肝炎治療の最前線
|
タイトル |
肝S2-7追:Genotype 2型C型慢性肝炎に対するResponse Guided Therapyの成績
|
演者 |
加藤 慶三(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科) |
共同演者 |
井家 麻紀子(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科) |
抄録 |
【目的】Genotype2・高ウイルス量(G2H)C型慢性肝炎(CHC)の標準治療は 24週のPeg-IFNα-2b(Peg2b)+RBV併用療法である.一方Peg-IFNα-2a(Peg2a)単独でもRVR例では24週投与で高いSVR率が報告されている.G2H CHCに対して,Peg2a単独療法で開始し,RVR例は単独療法24週とし,nRVR例は24週のRBVを併用するResponse guided therapy(RGT)の有用性及びPeg2b+RBV併用療法でnRVR例に対して延長投与を行うRGTの有用性を検討した.【方法】対象は初回治療G2H 156例中,治療効果判定可能なPeg2aで治療開始した28例及びPeg2b+RBV併用療法を16週以上施行した92例.Peg2aは単独で開始し,RVR例はPEG2a単独で24週投与,nRVR例はRBV併用(24週)で28週投与とした.Peg2b+RBVは,RVR例は原則24週投与とし,nRVR例は32週以上の延長投与とした.なお,RGTの検討症例のHCV RNA量はTaqMan法で測定した.【成績】Peg2a/Peg2b+RBV24週の背景は,女性割合42.9/50.1%,平均年齢53.8/55.1歳,HCV RNA量5.7/5.6LogIU/mL,血小板数17.3/18.8万/μL,IL28B(rs8099917) TT割合70.0/77.2%であり差はなかった.Peg2a開始後のウイルス陰性化率は,4週53.6%(15/28),8週92.3%(24/28),12週100%(26/26),治療終了時100%(22/22)であった.Peg2a±RBV/Peg2b+RBV24週のSVR率は95.0%(19/20)/87.3%(55/63)で有意差はなかった.Peg2a単独/RBV併用のSVR率は100%(12/12)/87.5%(7/8)であった.Peg2b+RBV24週のSVR率はRVR例で89.3%(25/28)であったが,nRVR例では24週/32週以上で50.0%(4/8)/90.5%(19/21)と延長投与で有意にSVR率が向上した(p=0.03).【結論】Peg2a単独でもRVR例は良好な成績が得られた.nRVR例でもRBVを併用することで,標準療法と同等の効果が得られ,Peg2a単独によるRGTは,副作用やコストの軽減が期待できる治療法である.またPeg2b+RBVはnRVR例に対する延長投与でSVR率が向上し,実地臨床におけるPeg-IFN製剤毎の特徴を活かしたRGTの有用性が示された. |
索引用語 |
C型慢性肝炎, response guided therapy |