セッション情報 一般演題

タイトル

原発性大網膿瘍の1切除例

演者 小畑 真介(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科)
共同演者 岡田 剛史(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科), 西野 拓磨(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科DELIMITER福井大学医学部 第一外科), 藤島 由佳(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科), 千田 勝紀(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科), 木村 俊久(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科DELIMITER国立病院機構福井病院 外科), 竹内 一雄(国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院 外科)
抄録 (症例)60代男性。2型糖尿病にて近医通院中、38度台の発熱、食欲不振が継続したため当院内科に紹介となった。(身体所見)貧血なし黄疸なし、左上腹部に圧痛をともなう腫瘤を触知した。(血液生化学検査)白血球および血清CRP高値、尿素窒素・クレアチニン上昇を認めた。(画像所見)US:左上腹部に内部heterogenic echoを示す約6cm大の境界不明瞭な腫瘤像あり。CT:単純のみの撮影では胃尾側、横行結腸腹側に約6cm大の内部均一、等濃度から軽度高濃度を示す境界不明瞭な腫瘤あり、周囲に脂肪濃度上昇を伴っていた。明らかな異物の所見なし。MRI:同部位に内部T2高信号を示す辺縁不明瞭な多房性腫瘤あり。(術前診断)大網もしくは腸間膜に発生した、膿瘍を伴う炎症性腫瘤の診断にて入院3日後に外科的治療を選択した。(術中所見)大網に被覆された腫瘤は胃、横行結腸および上部空腸と癒着していた。上部空腸、横行結腸および腸間膜とは容易に癒着剥離できた。胃との癒着剥離時に膿汁の流出あり、腫瘤摘出後に胃局所切除を追加した。(病理所見)大網脂肪組織に好中球を中心とした細胞浸潤あり、膿瘍形成の一部に細菌塊を認めた。胃は正常であった。なお膿瘍の培養から口腔内の常在菌であるStreptococcus constellatus検出された。(まとめ)比較的稀な大網膿瘍の一例を経験した。消化管の不顕性穿孔や異物刺入が病理診断からも明らかでなく、原発性(特発性)と診断した。
索引用語 大網膿瘍, 炎症性腫瘤