セッション情報 シンポジウム2(消化器病学会・肝臓学会合同)

C型肝炎治療の最前線

タイトル 肝S2-8:

Telaprevirを用いた3剤併用療法:埼玉県におけるAG&RGTトライアル

演者 菅原 通子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
共同演者 甲嶋 洋平(さいたま赤十字病院・消化器内科), 持田 智(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】1b型,高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するtelaprevirを用いた3剤併用療法は,治験では初回例73%,再燃例81%,無効例34%でSVRが得られたが,貧血,皮疹等の副作用が高度であった。一方治療効果を規定する要因としてIL28B関連SNPsとリバビリン,Peg-IFNの投与総量が抽出され,欧米ではnon-RVR例で治療期間延長によるSVR率の向上が報告されている。そこで埼玉県ではIL28BのSNPs(Gene),HCV-RNA陰性化時期(Response),治療開始12週までの両薬物投与量(adherence)により治療期間を決定するAG&RGTトライアルを多施設共同研究(大学IRB承認)で開始した。
【方法】対象は2012年2月までに3剤併用療法を開始した64例(男31,女34),年齢(±SD)は59.0±9.6歳,初回21例,再燃23例,無効19例,前治療の効果不明1例であった。治療期間はRVR例でadherenceが両薬物とも80%以上ないしは何れかが80%未満であるがIL28B SNPsがmajor alleleの場合は24週,RVRであるがadherenceが80%未満でminor alleleの症例とnon-RVR例は48週とした。
【結果】治療開始4週に達した51例で,RVR 率は69%,初回例80%,再燃例86%,無効例33%であり,8週の陰性化率は97 %,陽性の1例もHCV-RNA量は1.2未満であった。RVR率は,IL28B SNPsがmajor alleleは86 %,minor alleleは53%,ITPA SNPでは夫々68%と74%であった。ウイルス要因ではコア70,91,NS5Aの野生株と変異株におけるRVR率が夫々68%と70%,77%と53%,71%と60%であった。副作用は皮疹によるステロイド投与例,貧血によるリバビリン減量例,高度の吐気と高尿酸血症,腎障害を呈する症例が多数認められた。
【考察と結語】RVR率で評価した治療効果はIL28B SNPsのminor allele群で低率であり,AG&RGTトライアルでは現在までに64例中17例で治療期間を48週に延長することが決定している。このトライアルによるSVR率を評価するとともに副作用に対する予防策を確立することが,3剤併用療法の普及に際して必要と考えられた。
索引用語 C型慢性肝炎, Telaprevir