セッション情報 一般演題

タイトル 071:

術後の胆管造影が治療方針決定に有用であったBillroth I法再建術後胃の総胆管結石の一例

演者 上田 城久朗(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科)
共同演者 清住 雄昭(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 小畑 雅寛(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 藤江 里美(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 山之内 健伯(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 中原 和之(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 陣内 克紀(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 田村 文雄(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 明石 雄昭(熊本市医師会 ヘルスケアセンター)
抄録 症例は62歳、男性。1979年に他院で十二指腸潰瘍に対し、広範囲胃切除術 (Billroth I法再建)を施行された。2009年8月に急性腎不全を伴う総胆管結石による重症急性胆管炎で当院へ入院した。内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST)等の内視鏡治療を試みたが、Vater乳頭が同定できず外科で総胆管切開・胆嚢摘出術を施行され (完全切石に至り)退院した。2012年6月にかかりつけの医療機関で肝胆道系酵素の上昇を指摘され、画像診断を行われたところ総胆管に15mm以上の結石が2個認められた。2009年の手術後に行われていたTチューブからの胆管造影とCT等の画像診断よりVater乳頭が吻合部の近傍にあることが予想され、内視鏡治療を再度試みた。内視鏡での観察では吻合部近傍の十二指腸 (小弯側)にVater乳頭と思われる陥凹と胆汁の流出が認められた。中切開のESTを施行後に機械式破砕具 (BML-3Q)で結石を破砕・除去し、第18病日に軽快退院した。通常、Billroth I法再建による術後胃のERCP関連手技はBillroth II法再建による術後胃や胃全摘後の症例に比し、難易度は高くないとされている。本症例は、初回の入院時にVater乳頭を確認することができず術後のTチューブ造影が、胆管結石再発時の治療に有用な道標となった。示唆に富む症例と考えられたため、当院でのBillroth I法再建による術後胃の症例における総胆管結石の治療成績を併せて報告する。
索引用語 総胆管結石, Billroth I法再建