セッション情報 ワークショップ「消化器疾患と生活習慣(病)」

タイトル W1-07:

肝細胞癌切除後の新しい再発・生存規定因子としての骨格筋量減少症(サルコペニア)の意義

演者 播本 憲史(九州大学大学院消化器・総合外科)
共同演者 調 憲(九州大学大学院消化器・総合外科), 川崎 淳司(九州大学大学院消化器・総合外科), 木村 光一(九州大学大学院消化器・総合外科), 中川原 英和(九州大学大学院消化器・総合外科), 松本 佳大(九州大学大学院消化器・総合外科), 吉屋  匠平(九州大学大学院消化器・総合外科), 的野 る美(九州大学大学院消化器・総合外科), 戸島 剛男(九州大学大学院消化器・総合外科), 山下 洋市(九州大学大学院消化器・総合外科), 池上 徹(九州大学大学院消化器・総合外科), 吉住 朋晴(九州大学大学院消化器・総合外科), 副島 雄二(九州大学大学院消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学大学院消化器・総合外科)
抄録 【はじめに】近年、骨格筋量の減少(sarcopenia)は新たな生活習慣の病態として注目を集め、各種癌の予後不良因子という報告があるが肝細胞癌(HCC)に関する報告はない。IGF-1は肝臓で産生されると共に骨格筋量の規定因子として報告されている。【目的】HCC切除例におけるsarcopeniaの予後因子としての意義を明らかにする。【対象】肝細胞癌切除186例(2004.1~2009.12)。【方法】1.術前CTを用いて第3腰椎レベルにおける骨格筋の面積(図1)を測定し身長の2乗で割った値を求めた。2.従来の報告に従い男性43.75(cm2/m2)未満、女性41.1(cm2/m2)未満をsarcopeniaと定義し、sarcopeniaと臨床病理学的因子を比較検討した。3. ELISA法にて術前のIGF-1濃度を測定し、sarocpeniaとの相関を検討した。【結果】1.骨格筋量の平均値45.3±5.7cm2/m2 (男性:46.7±6.3cm2/m2、女性40.2±3.3 cm2/m2)、sarcopenia40.3%(75名:男性50名、女性25名)であった。2.sarcopenia群は有意にアルブミン値(p=0.04)が低値ICG15R(p=0.04)が高値であった。5年生存率(sarcopenia(+)群:71%,sarcopenia(-):89%,p=0.004)、5年無再発生存率(sarcopenia(+)群:12.9%,sarcopenia(-):33.2%,p=0.018)であり、sarcopenia群は有意に予後不良であった。多変量解析でもsarcopeniaが生存(Hazard比4.69 ,p=0.048)、再発(Hazard比2.94,p=0.019)に関する予後不良因子であった。3.骨格筋量とIGF-1値は弱い相関関係があった(R2=0.034,p=0.023)がロジスティク回帰分析ではsarcopeniaの独立規定因子ではなかった。【結論】sarcopeniaはHCCの術後再発・生存の独立規定因子であった。発生機序に関しては更なる検討を要する。
索引用語 肝細胞癌, サルコペニア