セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研19:

本態性M蛋白血症を合併した原発性胆汁性肝硬変の1例

演者 中嶋 遥美(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科)
共同演者 小田 桂子(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 渡邊 高徳(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 上野 新子(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 具嶋 敏文(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 高橋 和弘(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科)
抄録 【症例】 40歳台、女性。
【主訴】 肝機能異常の精査
【現病歴】 20歳台より肝機能異常を指摘されていたが精査を受けたことがなかった。2012年健康診断で肝機能異常を指摘されて来院した。
【生活歴】 機会飲酒。 【既往歴】 高血圧症。子宮筋腫手術。
【現症】 身長 151.7cm、体重 68.6kg、BMI 24.0。血圧 165/98 mmHg、脈拍 65/分。意識清明、黄疸は認めなかった。呼吸音に異常を認めず、腹部に特記所見を認めなかった。
【検査成績】  AST 117 IU/l、ALT 132 IU/l、ALP 1399 IU/l、γGTP 420 IU/lと肝機能異常を認めた。T.BILは0.42 mg/dlと正常であった。肝炎ウイルス関連マーカーは陰性であった。TP 8.1 g/dl と上昇し、モノクロナル蛋白を認めた。IgG 1286 mg/dl, IgM 83 mg/dlと正常であったが、IgAは1059 mg/dlと上昇していた。免疫電気泳動の結果IgAκであった。抗核抗体は160倍、高ミトコンドリアM2抗体は145、抗平滑筋抗体は陰性であった。腹部超音波検査では、肝胆膵に特記所見を認めなかった。 肝生検組織では、胆管の消失と、慢性非化膿性破壊性胆管炎の所見を認めたため、原発性胆汁性肝硬変(Stage1)と診断した。 M蛋白の精査のため骨髄穿刺を施行した。正形成の骨髄で明らかな幼弱芽球の増加は認めず、異型性も認めなかった。形質細胞は4.4%であり、本態性M蛋白血症(MGUS)の範疇ではあったが、大型や多核等の異型が強いものが散見された。 
【経過】 原発性胆汁性肝硬変に対してUDCAの投与を開始、肝機能は徐々に改善した。MGUSに関しては、多発性骨髄腫への移行のリスクがあるため、慎重に経過を観察することとなった。
【考察】 原発性胆汁性肝硬変はIgM高値となることが一般的であるが、本症例はIgAが高値であったため、精査を行ったところMGUSの合併を認めた。原発性胆汁性肝硬変ではまれにM蛋白血症を合併することが報告されており、多発性骨髄腫の合併の報告されている。本症例は多発性骨髄腫への移行のリスクもあり慎重に経過を観察する必要があると考えられた。
索引用語 原発性胆汁性肝硬変, M蛋白血症