セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専11:大動脈血栓を合併した腸間膜末梢動脈塞栓症の1例 |
演者 | 白 暁鵬(北九州市立医療センター消化器内科) |
共同演者 | 小谷 大輔(北九州市立医療センター消化器内科), 徳丸 佳世(北九州市立医療センター消化器内科), 淀江 賢太郎(北九州市立医療センター消化器内科), 荻野 治栄(北九州市立医療センター消化器内科), 本田 邦臣(北九州市立医療センター消化器内科), 井原 裕二(北九州市立医療センター消化器内科), 秋穂 裕唯(北九州市立医療センター消化器内科) |
抄録 | 症例は76歳男性。骨髄異形成症候群、2型糖尿病に対して当院にて経過観察中であった。骨髄異形成症候群に対してタンパク同化ステロイドの服薬、2週間に1回の輸血を施行、2型糖尿病に対してグリメピリド、シタグリプチンを服薬していた。2012.7月、突然の激しい腹痛が出現。造影CTにて大動脈弓及び腹部大動脈に巨大な血栓、腸間膜末梢動脈に塞栓を認め、回腸、上行結腸に浮腫を伴っていた。絶食、ヘパリンによる抗凝固療法を施行し、1週間後の造影CTでは大動脈弓の壁在血栓はわずかに残存していたものの、腹部大動脈、腸間膜末梢動脈の血栓は消失していた。腹部症状も消失したため、食事を再開したが、食事再開と同時に腹痛、嘔吐、炎症所見の上昇を認めた。そのため、さらに10日間の絶食を行い、造影CT、下部消化管内視鏡にて評価した。新たな血栓は認めなかったが、腸管浮腫の改善は乏しく、内視鏡所見では盲腸、回腸遠位部に広範な粘膜脱落と浮腫を認めた。1ヶ月の経過でも虚血性腸炎の改善は乏しく、外科的治療の適応と考えられたが、患者本人の希望もあり現在、中心静脈栄養にて経過観察を行っている。大動脈血栓を合併する腸間膜末梢動脈塞栓症の報告例は少なく、非常に稀な症例と考えられる。血栓形成の成因、臨床経過、画像所見について若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 大動脈血栓症, 腸間膜末梢動脈塞栓症 |