セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研44:

経口胆管鏡下電気水圧衝撃波砕石術が奏功した巨大総胆管結石症の一例

演者 岩津 伸一(佐世保市立総合病院 消化器内科)
共同演者 小澤 栄介(佐世保市立総合病院 消化器内科), 中鋪 卓(佐世保市立総合病院 消化器内科), 森崎 智仁(佐世保市立総合病院 消化器内科), 法村 大輔(佐世保市立総合病院 消化器内科), 山尾 拓史(佐世保市立総合病院 消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科)
抄録  症例は91歳女性。2012年6月、夕食後に心窩部痛が出現し、翌日近医を受診。血液検査で胆道系優位の肝機能障害および炎症反応の上昇、腹部超音波検査で肝内胆管から総胆管の拡張を認められ、同日当院紹介受診となった。血液検査でALP 383U/L、γ-GTP 83U/L、AST 275U/L、ALT 158U/L、WBC 14680/μL、CRP 0.88mg/dlと肝胆道系優位の肝機能障害および炎症反応の上昇を認め、腹部CTで肝内胆管から総胆管の拡張、下部総胆管の最大径2cm超の3個の結石を認め、総胆管結石性胆管炎の診断で同日当科入院となった。入院後、内視鏡的胆道ドレナージ(ERBD)を施行したところ、胆管造影で総胆管内に最大径25mm程度の結石様の陰影欠損を数個認めた。ドレナージ施行後、輸液、絶食、抗生剤(SBT/CPZ)投与を行ったところ、症状・検査値の改善を認めた。その後、第11病日に内視鏡的乳頭切開術および砕石術を試みるも、2cmを超える巨大結石であったため砕石バスケットによる結石の把持が困難であったため、第30病日、経口胆管鏡(POCS)下に電気水圧衝撃波砕石術(EHL)を行った。EHLプローブ(Aoutolith)を胆道鏡(CHF-B260)に先込めした後、フリーハンドで胆管鏡を胆管内に挿入し、生理食塩水を潅流し良好な視野を得た後、プローブの先端を結石に接近させ可能な限り砕石(40-50%/500shot)を行った。その後、リトリーバルバルーンおよび採石バスケットで結石の除去をおこなった。術後、重篤な合併症の出現は認められなかった。 径20mm以上の巨大結石はバスケットワイヤーで把持できないことが多く治療に難渋することが多い。今回我々は、巨大総胆管結石症に対し経口胆管鏡下電気水圧衝撃波砕石術が奏功した1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 総胆管結石症, 電気水圧衝撃波砕石術