セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研18:

IFN治療によりSVR後6年で肝肺症候群を発症したC型肝硬変の1例

演者 森山 有理沙(くまもと森都総合病院 消化器内科)
共同演者 宮瀬 志保(くまもと森都総合病院 消化器内科), 大内田 義博(くまもと森都総合病院 消化器内科), 原岡 克樹(くまもと森都総合病院 消化器内科), 森下 祐子(くまもと森都総合病院 消化器内科), 藤山 重俊(くまもと森都総合病院 消化器内科), 松岡 多香子(くまもと森都総合病院 呼吸器内科), 吉田 知栄子(くまもと森都総合病院 呼吸器内科), 彌永 和宏(くまもと森都総合病院 呼吸器内科)
抄録 【目的】肝肺症候群(HPS)は、肝疾患患者において主に肺内血管床の拡張による肺内右左シャントに起因する酸素化障害を特徴とする。今回、IFN治療によるウイルス駆除後6年でHPSを発症したC型肝硬変の一例を経験したので報告する。【症例】66歳女性、2004年C型肝硬変(Genotype1型, HCV-RNA 1300KIU/mL)を指摘され、2005年脾動脈塞栓術後にPegIFNα-2a 90μgを48週間受け、終了後一過性リバウンド後にSVRとなった。その後門脈血栓症、食道静脈瘤を併発し入院治療を受けたがSpO2は 95~97%で推移していた。2012年3月労作時呼吸困難を自覚し当院受診、ばち指を認め座位SpO2 89%と低下あり、HPS疑いで精査入院となった。WBC 3000/μl, Hb 13.2g/dl, Plt 11.0万/μl, TP 7.6g/dl, Alb 3.8g/dl, T-bil 1.4mg/dl, AST 23U/l, ALT 14U/l, CHE 212U/l, LDH 196U/l,γ-GTP 20U/l, PT 92%, CRP 0.13mg/dl, KL-6 202IU/ml。UCGでは肺高血圧症は認めず、CTでは胸腹水なかった。99mTc-MAAシンチでは肺外に集積を認め肺内右左シャント(シャント率30%)が示唆され、また血流欠損なく肺塞栓は否定的であった。動脈血液ガス分析ではpH7.486, PaCO2 27.9, PaO2 62.5, A-aDO2 52.4と2型呼吸不全、臥位→立位の体位変換でPaO2 62.2→57.9Torrとorthodeoxiaを認めた。また100%酸素吸入下でもPaO2が臥位にて555Torrに対し、立位にて380.4Torrと低下、A-aDO2 285Torr(立位)と著明に開大し、シャント率は16%であった。以上より本症例は肝硬変に合併したHPSと診断し、在宅酸素療法を導入し経過観察中である。【結論】HPSは本邦での報告は少ないが、欧米では慢性肝疾患の20%にHPSが合併しているとの報告がある。本症例はSVR後6年が経過して発症しており、肝硬変では呼吸器症状の観察も長期に亘って行う必要がある。
索引用語 肝硬変, 肝肺症候群