セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研77:Cytomegalovirus腸炎を合併し診断と治療に苦慮したunclassified colitisの1例
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演者 |
山田 茂智(公立学校共済組合九州中央病院研修医) |
共同演者 |
檜沢 一興(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 畑田 鉄平(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 工藤 哲司(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 守永 晋(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田 三雄(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科) |
抄録 |
Crohn病診断基準最新案では潰瘍性大腸炎との鑑別困難例をunclassified colitisと分類し、切除標本でも断定できない例はindeterminate colitisとして経過観察の必要性を明記している.我々はCytomegalovirus (CMV)腸炎を合併し、診断と治療に苦慮したunclassified colitisの1例を経験したので報告する.症例は45歳、男性.1ヶ月前から感染性腸炎として近医で抗生剤を投与されたが改善せず、1日15行の血性下痢と腹痛が増強し当院救急搬送された.血液検査成績では白血球6530/µL、血色素9.8g/dL、CRP10.7mg/dLで、大腸内視鏡検査ではS状結腸から上行結腸に高度の発赤浮腫を伴う区域性の炎症粘膜を認めた.絶食補液のうえ抗生剤とmesalazine 4gを投与した.しかし第7病日の内視鏡検査では深掘れ潰瘍が多発し病変が増悪していた.一部に縦走傾向を認めたが上部消化管内視鏡と経口小腸造影検査では異常なく、重症潰瘍性大腸炎としてprednisolone (PSL) 80mgの強力静注を開始した.症状は一時軽減したがCRPは3以下には低下せず、その後C7HRP陽性(2/79100)が判明した.CMV腸炎の合併と判断しganciclovir (GCV)を投与した結果、CRPは正常化し食事を再開できた.しかし血便は消失せず、第7病週の大腸内視鏡検査にて潰瘍底は浅くなったが開放性であったためinfliximabを併用した.PSLは40mgまで減量したが第11病週より血便回数が増加したため、azathioprineを追加し顆粒球除去療法を開始した.さらに第12病週の大腸内視鏡検査にて潰瘍は縮小していたが、一部活動性で縦走傾向を認めた.C7HRPは陰性だったが、生検にてCMVが検出されGCVを再投与した.以後は血便も消失し、第13病週にはPSLを30mgへ減量し退院となった.全経過中の消化管生検組織検査で肉芽腫は検出しておらず、肛門病変や上部消化管病変も認めていない.CMV腸炎の鑑別にも注意し、現在もunclassified colitisとして経過観察中である. |
索引用語 |
Cytomegalovirus腸炎, unclassified colitis |