セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研09:劇症肝炎亜急性型に対してOn-line HDFが有用であった一例 |
演者 | 児島 奈弥(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 伊集院 翔(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小薗 雅哉(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【背景】劇症肝炎における人工肝補助療法として、on-line HDFは高い覚醒率が得られるなど、その有用性が期待されている。今回我々は劇症肝炎に対しon-line HDFを行い、著明な肝性脳症の改善が得られた症例を経験したので報告する。【症例】41歳女性。2012年3月上旬、全身倦怠感、褐色尿が出現し、3月下旬より黄疸を自覚した。4月初旬近医を受診し、T-bil 12.8 mg/dl、AST 3276 IU/L、ALT 1796 IU/Lと高度肝機能障害がみられ、翌日同院に入院となった。腹部CTにて著明な肝萎縮と腹水がみられた。入院3日後より羽ばたき振戦が出現したため、劇症肝炎亜急性型と診断され、同日当科入院となった。成因は不明で、移植適応基準スコアリングが8点、死亡率96.3%であったため、肝移植の適応と判断し、脳死肝移植の登録を行った。移植までの待機中は、血漿交換およびon-line HDFを中心とした人工肝補助療法を行った。第5病日には脳症はみられず、脳死肝移植に関する同意も本人より得ることができ、食事も摂取可能であった。以後High-flow CHDFで維持していたが、第16病日に感染を契機に肝性脳症がV度となった。再度on-line HDFを開始し、第22病日には再覚醒した。脳死肝移植待機を継続していたが、第28病日に脳出血がみられ、同日死亡した。【考察】on-line HDFは大量の置換液を用いて肝性脳症の原因とされる中分子量物質の除去効率が高く、高い覚醒率(83.3%)が得られている。on-line HDFはbridge to transplantationとして最も有用であり、今後急性肝不全に対する標準的な人工肝補助療法になり得ると考える。 |
索引用語 | 劇症肝炎, on-line HDF |