セッション情報 一般演題

タイトル 156:

collagenous colitis の4例

演者 上田 博一郎(今村病院分院消化器内科)
共同演者 高崎 能久(今村病院分院消化器内科), 進藤 朗子(今村病院分院消化器内科), 齋藤 学(今村病院分院消化器内科), 矢野 貴文(今村病院分院消化器内科), 時任 大吾(今村病院分院消化器内科), 福留 聖(今村病院分院消化器内科), 坂江 清弘(今村病院分院病理診断科), 山元 隆文(国立療養所星塚敬愛園)
抄録 collagenous colitis の4例【はじめに】近年,慢性下痢の原因として,粘膜上皮下のcollagen bandの肥厚を特徴とするcollagenous colitis(CC)の報告が散見されるようになってきている.今回,当院にて4例のCCを経験したので報告する.【症例1】78歳,女性.糖尿病,慢性腎不全その他にて平成21年12月15日より当院総合内科に入院していた.1か月前から下痢を自覚しており,精査のため平成22年1月8日大腸内視鏡(CS)を受けた.SDJ付近に潰瘍を認めた.同部位と回腸末端の生検より,CCと診断された.ランソプラゾールを内服していた.その後,上部消化管穿孔の疑いで1月14日転院となった.【症例2】65歳,男性.糖尿病,足潰瘍のため,平成23年12月27日より当院糖尿病内科に入院中であった.入院直後より水様性下痢があったため,平成24年1月10日CS施行.横行,下行,S状結腸に血管透見像の不明瞭化と経度の浮腫を認めた.下行結腸とS状結腸の生検よりCCと診断された.その後止痢剤を投与されたが,退院後来院せず.症状が軽快せず,平成24年5月当科受診し,メサラジンを投与され症状は消失した.【症例3】61歳,男性.慢性腎不全で維持透析中であった.下痢が続くとのことで平成23年5月17日CS施行.異常所見は認められなかったが,S状結腸と直腸の生検よりCCと診断された.ランソプラゾールの中止により下痢は改善した.【症例4】70歳,女性.低アルブミン血症に伴う胸腹水の原因精査目的にて平成24年2月1日CS.内視鏡的には異常が認められなかったが,直腸生検にて,CCと診断された.利尿剤の投与にて,胸腹水は減少し,他院へ転院となった.CCの4例を考察を加えて報告する.
索引用語 collagenous colitis, 慢性下痢