セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 141:CT colonographyが診断の一助となった虫垂膀胱瘻の1例 |
演者 | 隅田 頼信(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州大学大学院 病態制御内科) |
共同演者 | 山口 恵利子(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 加来 真理子(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 柿ヶ尾 佳奈(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 岡本 梨沙(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 藤森 尚(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 原口 和大(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 吉本 剛志(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 国府島 康之(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 河邉 顕(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 福嶋 伸良(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 福泉 公仁隆(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 中牟田 誠(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 中山 吉福(九州医療センター 病理部), 松浦 秀司(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 松本 載恭(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 池尻 公二(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 原田 直彦(九州医療センター 消化器センターDELIMITER九州医療センター 臨床研究センター), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科) |
抄録 | 症例:57歳、男性。主訴:発熱、気尿。既往歴:37歳時 胃潰瘍。現病歴:20XX年3月中旬に39度台の発熱出現、その後微熱が持続していた。4月初旬、排尿時の不快感、膿尿を主訴に近医泌尿器科を受診し慢性前立腺炎と診断された。5月発熱、気尿の精査目的のため入院。経過:入院後、腹部骨盤造影CT施行したところ、膀胱壁内にairを認め、S状結腸膀胱瘻が疑われた。膀胱鏡では膀胱後壁右側から便の排出が確認され腸管膀胱瘻と診断した。同日より絶食、抗生剤投与(セフメタゾール4g/日)。逆行性注腸造影では、結腸管腔外への造影剤の流出は認めなかった。TCSでS状結腸に粘膜下腫瘍様に隆起する発赤調の領域があり表面に憩室様の小陥凹は認めるものの瘻孔は確認できなかった。CT colonography(CTC)では、骨盤内右側の盲腸~虫垂に一致し径4cm程度の膿瘍と思われる軟部陰影を認め、同病変は肥厚した膀胱壁とS状結腸に広く接していた。以上より、虫垂炎から膿瘍形成に至り、S状結腸と膀胱内に穿通したと推測した。6月外科転科し虫垂切除術、S状結腸切除術、膀胱部分切除術を施行。手術所見では虫垂は腫大し膀胱と癒着していた。剥離すると双方に瘻孔を認め穿通と判断した。S状結腸は膀胱及び虫垂との癒着を認めたが、摘出標本では瘻孔を1箇所認めるものの虫垂、膀胱との明らかな穿通は認めなかった。病理診断は虫垂炎による虫垂膀胱瘻 and/or S状結腸膀胱瘻であった。術後2週間で退院。CTCを行うことで消化管壁が明瞭に分離され、膿瘍、腸管壁、膀胱との解剖学的位置関係を3次元的に評価することが容易となり、術式選択ための一助となった。虫垂膀胱瘻は比較的稀であり腸管膀胱瘻の5%にすぎないと報告されているが、CTCが術前診断に有用であったので文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 虫垂膀胱瘻, 虫垂炎 |